2007-05-05

惨めったらしい

告ろうとした気配を読まれて振られた。

多分振られたのだと思う。

きっと振られたのだろうと思う。

それでもダメ元でしっかり告白しようと思える勇気も無く、

じゃあせめて電話メールで思いを伝えるだけにしようと卑怯な事を考える元気もなく、

終電を捨て、サンダル履きの足で(皮膚が擦れてとても痛い)、何時か通った道をふらふらと歩いた。

飲み会の帰りに駅まで送ってもらったときの会話を思い出したかった。

途中で寄って話をした公園にたどり着いて、そこで失恋気分を味わってすっきりするつもりだった。

一人では公園にたどり着けなかった。

あんなに幸福だと思った時間はそんなに遠い日のことではないのに、もう二人で辿った道筋を思い出せない。

惨めったらしい気分になって、やけくそのように道路を一本ずつ潰して回った。

見覚えのあるアパート、見覚えのあるコンビニ、確かにこの近くなのにたどり着けない。

思い出せないことが悲しかった。思い出せないことが悲しかった。

そうして20分ほどさまよって、やっとたどり着けそうになった。

道路を曲がったところに、見覚えのある遊具が見えたのだ。

分かった、思い出せた、というよろこびは一瞬だけだった。

その公園に足を踏み入れれば確実に自分は失恋してしまう気がして、足がすくみ、公園に入れず、

ああ、とか、うう、とか呻いて引き返した。やめよう。

何時かきちんと告白して、ちゃんと振られればいいだけの話だ、もしかしたら、万が一、可能性だって……

いい訳をしながらその場から離れた。

そして、そうして彷徨っている間も、駆け足で公園から離れたときもずっと携帯電話を握っていた。

とてつもなく惨めったらしかった。

こうしてそれを、増田に書き込んでしまう自分の浅ましさも、惨めったらしい。

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