2007-03-03

惚れた相手が、他の人間と体を交わす。

なのに君は今、部屋で一人ぼっちだ。

端的に無為で無力な君は、想像すること位しか、することも、できることも、残されてはいない。

そのたくましい想像力で、心と、望むならば本来、彼女が占めていただろう空間の、それぞれの空白を満たそうというのか。

しかし、行為自体は半刻ばかりあれば、一通りは終わるものだ。

もちろん、二度、三度と行われることもあろう。

しかしそれは思考を伴わない視覚と触覚の織り成すゲームだ。

あまりといえば、あまりに不公平じゃないか。

なぜなら、君の、その胸をかきむしらんばかりの焦燥は、朝まで尽きることがないのだから。

彼/彼女らが、新たな出発を迎えんとする幸福休日の朝の、まさにその時に、

君は目の下に黒いものをこしらえたまま、世界に向けて呪い言葉を毒づくわけだ。

かくして君は出遅れてしまったわけだ。

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