吉田さんに手紙を書こう。吉田さんの字をほめたら、あなたの字がみてみたいと言われた。
それで舞い上がってしまったのだ。深く考える前に住所を教えてくださいと言ってしまった。
手紙を書くのなんて久しぶりで、いそいそと封をして、吉田さんの住所を左に、私のを右に書く。
それらが左右に並んでいると、結構近所なのだと知った。
ひきだしを開けて切手を探す。見当たらない。仕方がない。最後に切手を貼ったのがいつなのか思いだせないくらいなのだ。
最寄りの郵便局まで行けばいい。そうだ、記念切手を買おう。最初の1枚を吉田さんのために使って、うまくすると全部使いきれるかもしれない。
おだやかで、何の木かは知らないが小さな花をつけたところに鳥が止まっている。
そうしていると、前方にはもう赤いポストがみえる。
すぐそこですよ、ちゃんと届けてください、といきおいをつけて投函する。
吉田さんから返事をもらう。
××さんこんにちは。お手紙ありがとう。××さんの字も私は素敵だと思いました。
はねが少し短いことや、あるところは伸ばしすぎているようなところ、人間があらわれているようで微笑んでしまいました。
ところで、切手を貼るのを忘れましたね。でも郵便屋さんはスタンプを押して私のところへ届けてくれました。
ひとの優しさは捨てたものではないですね。
と、このように市内での事例があるのだが、サンプルが少なすぎて有為でない。