一昨日の夜。
私は彼氏に対して
「あなたとするセックスが気持ちよくない」
「○○のほうがよかった」
と、言ってはならないことを言ってしまった。
昨日の夜。
私は、セックスすることもなく、彼氏の隣で寝た。
まもなくすると、私の夢の中に「彼氏」が登場した。
…
夢の中。
「私」と「彼氏」は二人っきりで会話をしていたが、
「私」は少しよそよそしい態度をとる「彼氏」に気づき、何か隠してはいないかと「彼氏」に問い詰めた。
すると、「彼氏」は、私とつきあいながら、最近、「年上女性」と付き合い始めたというではないか。
「私」は少し驚くものの、その動揺を見せまいと、すかさず、
「私とその人とどっちのセックスがいいの?」
と自信と不安半々で聞いた。
すると「彼氏」は、
「その人」
と低い声で簡潔に言った。
この言葉を聴いた「私」は、この世の終わりが来たような絶望を感じながらも、
「彼氏」は嘘をついているかもしれないという可能性に期待したり、
これは一時の間違いで、いつか必ず私の方に戻ってくるのだ、ということを祈るように思った。
ところが、あまりに動揺したからか、むしろ平生を装ったからなのか、
「私」は乙女むき出しで「分かれないよね?」とすがる代わりに、
客観性を装って「それじゃ、分かれるしかないよね」と言っていた。
すると「彼氏」は、
「分かれよう」
とまたも簡潔に言った。
「私」はついに発狂した。
「彼氏」の腕をつかみ、取り乱して、彼に泣き言を言っていた。
何度も何度も…。
このように夢の中で発狂している「私」を、私はなすすべも無く見ていた。
しかし、私は「私」の辛さに耐えられず、もうこの悪夢を終わらせようと、意思の力でがばりと覚醒した。
まぁ起きることができたのだから、夢である。当然である。しかし夢とはいえ、酷く現実味のある話であった。
私と彼のセックスの話題が登場したのが昨日の今日であるからか?それとも隣で寝ている彼氏の思考が私の頭に流れ込んだからか?ありえないが。
どちらにしろ、私はこの悪夢による恐怖を安心へ変えたくて、隣で寝ている彼氏を起こそうとした。
すると、彼氏は、手のひらで相手を押しやるような形で、私との間に壁を作った。
ショックだった。私は、このような無意識的な動作に傷つくも、これは偶然であると思い直し、
今度は、彼氏の顎をつかんで私の方に顔を向けさせようとした。
すると、私に顔を向けた。
しかし、ものの1秒ほどで、180度回転して顔を向きなおした。
これもショックだった。
三度目の正直を狙ってまた同じことを行った。
しかし、結果は同じだった。
…
私は不安のまま朝を迎え、目覚め一番に、彼氏にこの夢の話をした。
信じることにした。
しかし、これから、逆夢にならなければいいが…。