第1話「空を自由に飛びたいな」→http://anond.hatelabo.jp/20070128092423
第2話「世界はすべて俺のもの」→http://anond.hatelabo.jp/20070129183150
僕はひどく興奮した。
こんなにも興奮することがあるなんて驚きだった。
あの日以降も、僕は屋上に行くのをやめなかった。すると、綾波レイもやはりそこにいた。
僕らはそこで他愛のない話をしながら、楽しく昼食をとった……、となればどんなに良かっただろう。
実際の僕は、その「他愛のない会話」なんてものが出来なかった。ずっとそうなのだ。僕は雑談が出来ない。何故、と問われても、解らない、と答えるしかない。幼い頃、何かボタンのかけ違いがあったのか。僕は他人と上手くコミュニケーションがはかれないまま成長してしまったのだ。
彼女もそうなのだろうか。
僕らは、一緒に隣り合って昼食を食べたが終始無言だった。でも、その無言の空間は僕にとって苦痛ではなかった。むしろ心地よかった。そういう感覚になるのは初めてだった。僕は何かの拍子で誰かと二人きりになるとどうしても何か喋らなきゃと慌て、緊張し、さらに喋れなくなる。けれども、彼女となら何かを喋れなきゃ、という強迫観念はまったく生じなかった。
食事を終えると、僕はいつものように屋上から周りの風景を眺めていた。
すると彼女が口を開いた。
「しないの?」
「え?」
彼女は、わずかに口元をゆがめ、一瞬だけ手で手淫のジェスチャーをした。
「え、えええ! や、だ、だめだよ」
「なんで?」
「や、だって、、、見られてちゃ……」
「いつも見られてたのに?」
「う、でもそれは……知らなかったし」
「ふーん、意気地がないのね」
綾波は心底落胆したように言うと立ち上がり、その場を去ろうとした。
逃げちゃダメだ。
そう思った。
「わ、わかった。する!」
彼女は振り返ると「無理しなくていいのよ」とそっけなく言った。
僕はそれには答えず、慌ててズボンを下ろした。彼女はその光景を見て、もとの場所に戻って再び腰掛けた。
彼女の目線がちょうど僕の股間に合う。
さすがに緊張した僕は、なかなか勃起させることが出来なかった。
「手伝ってくれる?」
「イヤよ」
思い切って聞いてみたが即答で断られた。
それでも彼女の姿を見つめていると、程なくして勃起した。彼女は少しだけ微笑んだ。
快感だった。
今まで感じたことのない快感だった。
ぼくは激しく脈打つ心臓の鼓動に合わせるように、握った手を上下させた。
刻一刻と微妙に変わる彼女の表情がぼくの興奮を高まらせた。
「っん」
その興奮が最高潮に達したと同時に射精した。
それは大げさでなく、今まで生きてきた中で最も勢いの良い大量の射精で自分でも驚いたが、綾波も同様だったようで彼女の表情が崩れた。
彼女は僕の顔を見て、笑った。
彼女の笑顔を見るのはこの時が初めてだった。
綾波はポケットティッシュを取り出すと、出し終えて縮んでいこうとしているそれを拭いてくれた。
僕はすこし吃驚して後ずさりしたが、すぐに身を任せた。神経という神経の全てが彼女が触れている、その一点に集中したかのようだった。
僕はまた勃起した。
彼女は呆れたように微笑むと、一瞬だけそれを握ってすぐにやめて、軽くポンっと叩いた。
僕はその彼女の仕草が愛らしくてたまらなかった。そして彼女は何かをごまかすように言った。
その一言になぜか僕は激しく興奮して、その日以来その言葉が頭の中で何度も何度も再生された。
「きもちわるい」
きっと、ここから見える風景なら、どこへでも手を伸ばせばすぐ飛んでいける。 例えば、僕は、勉強もできないし、スポーツも出来ないし、女の子ともうまく話せない。それどころ...
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