雨の日のバスは混む。
ふだんは余裕で座れるのに、雨が降ると通勤ラッシュの電車状態。
終点ならともかく、途中で降りるのはひと苦労だ。
降りれなかった人、ドアが閉まった後に「降ります!」と叫んで
なんとか降りれた人をよくみかける。
今朝のこと。
車両の後ろにいた初老の女性が、次で降りそうな動きをしているのが目に入った。
前は人の壁。前の降車口まで進むのは大変そうだな。そう思って見ていた。
女性は、数歩進んだ後立ち止まり、
静かに、しかしよく通る声で言った。
「後ろのドア開けていただけませんか?」
1瞬の間ののち、後ろの乗車口が開き、
女性はそこから降り、前にまわって運賃を支払って行った。
目から少しウロコが落ちた朝