2010-08-24

彼女が嘲笑してくる。

彼女がよく笑う。しかし、何か面白いことがあって「あはは」と笑う感じではない。

俺が階段で転びそうになったとき、普通は心配するだろう。彼女も一応は「大丈夫?」と近づいてくる。

だが、その口は大きく横に広がり、目は活き活きと輝いていて、要するににやっと笑っている。

俺が本屋で店員相手に戸惑っていると、彼女は俺を見てずっとニヤニヤしている。

最初は、照れ笑いだと思っていた。公然と人を心配したりするのが恥ずかしいのだ。

そうか、と今ごろになって気づいた。彼女は俺を嘲笑しているのだ。

目の前で嘲笑するのが、他人だったらされた人は怒る。もしくは印象が悪くなる。

だから、人は目の前では他人を嘲笑しない。そうなると、陰口になる。

しかし、それが恋人だとどうだろう。しかも相手が男だったら。

世間的に見て、彼女に怒る彼氏というのは最低な存在である。だから、怒れない。

さらには、それが反語的な愛情表現なのだと主張することもできる。

彼女はそれを知ってて、安心して思う存分俺を嘲笑しているのだ。

公然と馬鹿に出来る存在として、俺を横に置いているのだ。

この衝撃的な事実から目を逸らすために、俺は何をすればいいのだろう。

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