ふたりの旅人が歩いていると、熊にあった。片方が逃げ遅れちゃってーー。
片方も助かった。めでたし。もうひとりが熊が立ち去ったのを見計らってもどってきた。
「熊はなんと言った?」と聞く。
逃げ遅れたほうの旅人は、熊に言われたことを答える。
逃げ遅れたほうの旅人が「熊が言ったことだ」と言ったことって、それ、本当?
熊が言ったのは「変なニオイ」とかそこらへんじゃなかったの?
まさかね。熊には「変なニオイ」という概念が多分無い。
しかしというかなんというか。観察者がしっかり観察すると「本当のところ」がわかったりすることがあるみたいだ。
代弁とはちょっと違うような気がするーー熊が人間とお話ししたい、と思うときもあるーーきっと熊だって喋りたいときがあると思いたい。
「そうですねーーどうでしょう。あったら面白いですね。ところで、その場合は「変なニオイ」ということは無かったでしょうね。もっと違うときーーこの写真をごらんください。これは、「「人間がいうところの変なニオイ」をかいだときの熊」です」
寓話って苦手だーーじゃなくて、なんだっけ。
ところで、人間は、熊のように代弁されっぱなしは、無理なときは無理だーー。