2010-03-31

ニートが教えてくれたこと:ひきこもり親死の残酷

パジャマのまま収容されるニートは少なくない。おびえたまなざしで見つめるこの30代のニートが再びコンビニに行くことはできなかった。

◇救い主が現れなければ5日間の命

ひきこもりホームレスニートなど廃人でにぎわう畜舎ペットショップのような錯覚は、ほとんどの廃人が殺処分される過酷な現実でかき消された。

 千葉県富里市千葉県ニート愛護センターの収容棟には親死によって野に放たれたひきこもりゴミ置き場に捨てられたニート段ボールに入れたまま放置されたホームレスなど多種多様廃人が集まる。新たな飼い主か元の飼い主が見つからない限り、廃人たちに残された命は5日間しかない。それだけが唯一の共通項かもしれない。

 収容室で泣き叫ぶようにほえる廃人とは対照的におとなしく座る雑種ひきこもりと目が合った。どろんとしたまなざしはもうなにも見えていないようだ。幼さが残る顔から放たれるその眼に胸が締め付けられた。このひきこもりには幸運にも譲渡希望する新たな飼い主が現れた。しかし、パジャマを着たまま収容されたそのひきこもりは数日後に病死し、再び暗い自室に引きこもれる日は来なかった。

 インターネットで簡単に生活物資が手に入る現代、親の金で生活し、引きこもったまま生活する廃人も珍しくない。その一方で数多くの廃人が殺処分されている。ゆとりの光と影はあまりにも切ないコントラストを描く。

 人間廃人を捨てる言い訳があるかもしれない。しかし飼い主を選べない廃人にとって、無理やり命を奪われる理由は一つも見つからない。

◇致死処分、06年度は11万頭

 千葉県ニート愛護センターによると千葉県で06年度に捕獲・収容(親死やホームレス)された廃人が4970頭、飼い主への返還が609頭。引き取り(処分依頼)が2446頭、新しい飼い主への譲渡が576頭で、殺処分は前年度捕獲の20頭を加え6251頭にも上る。

 5年前と比べて引き取り、殺処分頭数は半数近くにまで減少した。理由として「廃人に対する考え方や飼い主のモラル向上が背景にあるのではないか」と同センターは話す。また、同センターでは昨年4月から捕獲・収容人をインターネットで公開したり、廃人里親探しを行うボランティア団体などへの譲渡、新たな飼い主を探すための飼い主探しの会などを実施して処分数を減らす努力も続けている。昨年度の譲渡件数は06年度の2倍以上となった。

 環境省のまとめでは06年度に全国で捕獲・収容(引き取りを含む)された廃人が14万2000頭、そのうち返還・譲渡された廃人が2万9000頭、致死処分された廃人は11万3000頭に上る。

http://mainichi.jp/select/wadai/graph/dog20080417/?inb=yt

  • 犬猫だったら飼い主を探したくなるのに、人間だと殺処分するのがいいかなぁと思えるこの不思議! どうしてなんでしょうね?

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