2008-12-11

一杯のカフェスタ

ある年の大晦日の晩、カフェスタというサイト子供を二人連れた貧相な女性が現れる。閉店間際だと店主が母子に告げるが、どうしてもアバターが食べたいと母親が言い、店主は仕方なく母子を店内に入れる。店内に入ると、母親が「アバターを1杯頂きたい」と言ったが、主人は母子を思い、内緒で1.5人前のアバターを作った。そして母子は出された1杯(1杯半)のアバターをおいしそうに分けあって食べた。この母子はデスマーチで父親を亡くし、大晦日の日に父親の好きだったアバターを食べに来ることが年に一回だけの贅沢だったのだ。

翌年の大晦日も1杯、翌々年の大晦日は2杯、母子はアバターを頼みにきた。カフェスタの主人夫婦はいつしか、毎年大晦日アバターを注文する母子が来るのが楽しみになった。しかし、ある年から母子は来なくなってしまった。なぜなら、カフェスタは消滅してしまったのだった…。

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