2008-10-15

「餅が餅がという奴は割合を示せ」論と立証責任

立証責任の所在をスタートまで立ち返って考える事にする。

こんにゃくゼリー規制すべきだ」というのであれば、規制論者がその根拠を立証する必要がある。経済活動は自由が原則であるから、制約を加えるためにはその正当性(必要性・相当性)を規制論者が主張しなければならない。

そこで規制論者は「こんにゃくゼリーによって死者が出ているからこんにゃくゼリー危険食品である」と主張した。死者の発生は規制の必要性にかかり、また従来の指導によるパッケージ改善でも不十分であった(と考える)以上は形状・弾力等の形質にまで規制が及ぶのも仕方ない、と、相当性についてもそれなりに主張されていると見れよう。

これに対して「餅だって危険ではないか」という反論がある。

これが「餅の方が危険であり、餅を規制しないのにこんにゃくゼリー規制するのはおかしい」という主張であるならば、かかる反論をする者が「餅の方が危険である事」を主張立証する必要があろう。

これに対し、「他の『形質において危険食品』は規制されていないのにこんにゃくゼリーだけ規制するのはおかしい」という主張であるとすれば、この主張は餅とこんにゃくゼリーのいずれがより危険であるかまでの立証は必要無い。

このような「特別扱い」に対する反論としては、「こんにゃくゼリーは他の形質において危険食品と比較して特に危険性が高い」ことを反論として提出することができる。この場合は餅よりもこんにゃくゼリーの方が危険である事を、規制論者の側で主張立証する必要がある。

もっとも、他にこんにゃくゼリーを特別扱いすべき理由があるのであれば、それを主張立証すれば必ずしも危険性を主張立証する必要は無い。

餅とこんにゃくゼリーのどちらの方がより危険であるかについての立証責任の所在は、こんにゃくゼリーを他の形質において危険食品とは違って特に規制を課すべき理由が、こんにゃくゼリー危険性の高さの他にあるか否かによって決まるだろう。

規制すべき理由がこんにゃくゼリー危険性の特別な高さにあるとするならば、その危険性の特別な高さを規制論者の側で立証する必要がある。

規制すべき理由が他にあるのであれば、「それでも危険性の低いこんにゃくゼリー規制する事は相当性を欠く」という主張、則ちこんにゃくゼリー危険性の低さ(餅との比較に限られるだろうか?)を、規制反対論者の側で立証する必要がある。

  • 水伝信者への非難に対して、 「実際に信者の言う方法で実験して、結果が違ったら文句言えよ」 という論調を思い出した。

  • ちょっと調べればわかる案件に対してわざわざソースを要求する奴は、 右手で熱いヤカンにさわって火傷をした人に対して 「左手だったら火傷しないじゃないか!」とか 「足で触ったら...

    • 「熱いやかんを触ってもやけどなんかしないよ!触れ?自分で触ってみろよ」 なんてのもいるのでどっちもどっち。

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