2008-07-30

人から相談を受ける。仕事のこと、恋愛のこと、家族のこと。

相手は毎回進歩していく状況を話してくれる。私はそれを毎回、聞く。

なのに、私は相手に自分のことを何一つ、一切、話していない。

仕事のことは話しても仕事の悩みは話さない。

恋愛のテクニックを笑って話し合っても、自分の好きな人については話さない。

家族構成は話しても、家族がどんな家族かってことは話さない。

それなのに優しいね、って時々言う人が現れる。

そんなの、ただ話を聞いてくれるってことが“優しい”に見えるだけだ。

実際の私は、私の自慢だった、仲の良かった家族をぶち壊す原因を作った悪魔だ。

実際の私は、男も女もどちらにも興味のない、ただ暇つぶしのためだけに人と付き合う悪魔だ。

実際の私は、目の前の優しい貴方を騙している悪魔だ。

実際の私は、目の前の優しい貴方をも信用することの出来ない悪魔だ。

私なんかに心を開いてくれる人達の方が、ほんとはずっと優しくて、心が広い。

貴方達が幸せになればいい。私なんかに心を砕いてくれる人達が、幸せになってくれる世界が良い。



話せない、話したくない、話さない。その全部に邪魔されて、話せない。

一人で生きるのはしんどい、誰かに話を打ち明けたい。

でも、自分も誰かを頼るのかと思うと、身体がぎゅっとなる。心がぎゅっとなる。

話したい、話したくない、話したい、話したくない、いつもいつもそればかり。

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