2008-06-17

1年前まで不倫していた。20代半ばを過ぎてからそんなばかなことをするだなんて思ってもみなかった。こんなことはもうやめようと決めてから実際に別れるまでにはうんざりするくらい時間がかかった。それまでにも自分から別れを切り出したこともあれば一方的にふられたこともある。けど、お互いに気持ちを残したまま別れるのは初めてのことだった。思ったよりずっと難しくて大変だった。

何度も話し合って、やっと結論が出たときの相手の表情や声の響きを私はきっと一生忘れないと思う。男の人がそんな顔をするところを初めて見た。いつかこれに慣れる日は来るんだろうかと思った。

別れた直後私は食事ができなくなり、1ヶ月で体重が5kg減った。それでも毎日はちゃんと続いた。今は出勤したり本を読んだり料理したり買い物したりして生活している。すごく普通の生活だ。今でも1人になると泣くことが多い。未だに気持ちを整理することができないでいる。思い出すたびに悲しかったりやりきれなかったりして感情ばかりが先立ち、うまく考えることができない。でも、たとえば好きな作家の新刊を徹夜で読んだり、料理が思い通りにできたときはけっこう幸せだと感じる。そういう風に日々の生活を送っている。悲しんだり、うれしかったり、疲れて無表情になったりしながら毎日生きている。1年前、別れた直後の私がうまく思い出すことができなかったのはそのことだったような気がする。

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