俺の下半身が今年は芸術に生きろなんて小粋なアドバイスをしやがる。
おう、それじゃあお前さんはどうするんだよ、俺がかまってやらなくても平気なのかって聞いたら、
自分は他に面倒見てくれる人を見つけたらもういいよって言うんだ。
いや、たしかにお前の面倒は俺の面倒でもあるわけだが、どうにも納得がいかない。
別に今までの分を返してくれとかそんな話じゃなくて。
そもそもそいつ、本当に大丈夫なのか?信頼できるのか?
それより何より、俺よりいいってことか?
おいおい、それってずいぶん残酷じゃないか。
だいたい神経はすべて脳に繋がってるんだぞ?そして感覚や知覚は脳で生じてるんだぞ?
いくらお前が気持ちよかろうがそれはお前じゃなくて俺が気持ちいいんだからな。
そこんところ忘れんなよ!ああ虚しい。
こいつどうして一人で生きてられるような顔をしてるんだ?いつのまにか妙に流線型じゃねえか。
こうなったら徹底的にお前のことを作品にしてやる。
世間に晒して、二度と表を歩けないようにしてやる。
世界で一番有名なやつにして、紅白の審査員に呼ばれかねなくしてやる!
そしたらお前の新しい相手はどう思うかな?
もちろん、俺の芸術は誰かを不幸にするために存在するわけじゃない。
俺自身の生きることそのものの問題なんだ。
要するに、お前こそ俺の生きる全てだってことなんだ。