2011-03-13

民主党がまた余計な事をやらかしていた。

福島第一原発側の報告と、官邸の報告とをつき合わせていると、12日午前3:00時点で、一号炉の圧力を抜く予定だったのが、翌朝の菅首相の視察が終わるまで放射性物質を撒き散らすなと命令が下り、翌朝7:11菅首相が現地に到着し、視察が終わるまで、一号炉の圧力は上がるままに放置されていたという事になる。

視察によって放射能汚染を蒙りたくないというのは、本心であろうが、現場の判断による圧力解放を停止させるのであれば、代替手段を指示するべきで、それは、炉の廃棄であるホウ酸水注入となる。

一般に密閉容器内で圧力が高くなると、水の沸騰温度は上昇する。圧力鍋が、通常の水の沸騰温度である100度以上の高温で調理できるのと同じ理屈である

圧力が高くなった分だけ内部は高温になり、本来ならば蒸発して水蒸気になる筈の水が液体のままで存在することになる。

原子炉内部に熱発生装置を収めた圧力鍋のようなモノで、高温になっている圧力鍋の中にパイプを通して、二次冷却水を流し、内部の熱を取り出してタービンを回す装置である原子炉において、一次冷却水である純水中性子の速度を調整して核分裂反応を促進させる。通常は、温度が上昇して沸騰状態になり、水中に気泡が混じると、核分裂反応を減速させる方向に動くが、内部の圧力が高くなって水中の気泡が消失すると、核反応が促進されてしまい、より高温状態になり、加圧が進むという、正のフィードバックが発生してしまう。

圧力を抜く事で水を沸騰状態にし、気泡の存在によって原子炉の反応を抑制させるというのは、沸騰状態でバランスされてしまうし、放射性物質を含んだ蒸気を大気中に放出し続ける事になるが、この状態で冷却水を大量注入して反応を抑制できるのであれば、被害は大きいが、原子炉を再開できる手順である

沸騰状態の圧力鍋の調圧弁を抜くと、盛大に吹き零れるし、蒸気も出てくる。通常は、鍋を流水につけて急冷して、大気圧と同じになってから蓋を開けるのだが福島第一原発では、圧力を抜く為の調圧弁を、首相の視察が終わるまで開けるなと言われて時間を浪費し、挙句、開けても良いと上からの指示が来たので開けようとしても、圧力が上がりすぎていて開けられなかった。挙句に、高温に負けて安全弁が解放されて建屋が爆発した

現場の判断に上が介入した時点で、現場は自立的判断を放棄し、指示どおりに動くだけの人形になってしまったという、典型的上意下達の愚行が原発で発生していたという事である

民主党政権は、本当に、余計な事、邪魔な事しかしない。

ルールマニュアルを定めて管理を強化しても、事態は解決されないどころか、かえって悪化してしまう。原発管理を強化とか、人民の代表である政府が直接管理監督といった話がでているようであるが、その問題の専門家よりも、経営者政治家といった半可通がしゃしゃり出てくる事を禁止できなければ、どんな管理体制も、事態を悪化させるだけである

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