■もやもや
小説を読んだあと、心の中になにかもやもやが生まれる。
もやもやは小さいときもあるし大きなものもある。
それは、空に浮かぶ雲のように、時間が経つにつれてうつろい、消えてしまう。
僕はそれをなんとか言葉にしようと、キーボードに向かう。
けれど、このもやもやをうまく、僕が感じているように表現することができない。
書いては消し、また書いては消し、いつの間にかもやもやとはかけ離れた味気無い文章になってしまう。
だから、他人の感想に言葉を求める。
僕のこのもやもやを表しているであろう言葉を探して。
他人の感想を読んでいるうちに、小説を読み終わった直後に生まれたもやもやは変化し、読んでいる感想と似たようなものになる。
他人の書いた言葉が、自分の言葉としてでてくる。
それはなんだか悲しいことだと思う。
僕の想いを、僕の言葉で。
僕の歩いてきた20年の人生の中に、僕の感じたもやもやを表せるものがないのかもしれない。
どうすれば、もやもやをうまく言葉にできるのだろうか。
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