はてなキーワード: 笑い上戸とは
数年振りに再会した友人がmixiに居ることが判明、マイミクになった。
彼女のページに足あとをつけると、私と過ごした頃の彼女では無くなっていた。それもいい方向に。
高校1年の時に友人の紹介で仲良くなった女の子。
翌年、その子と同じクラスになったことで、よく一緒に行動するようになった。
最初に声を掛けたのは私からだったが、正直、他の友人とクラスが分れたゆえの「とりあえずキープ」だった。
新クラスに話せる人は他にも何人か居たが、
休み時間やお弁当、地獄の「じゃあ好きな人とペア組んでー」に学校行事と、
「当たり前のように一緒にいる誰か」がどうしても必要な環境だった。
そして学校にいる間ずっと一緒に過ごすことで初めて、彼女の人となりが見えてきた。
とにかく「暗い」「垢抜けない」。
残念ながら当時の私も決して小奇麗な人気者ではなかったが、彼女はその上を行っていたことは間違いない。
伸ばし放題で重たい黒髪に、規定以上に丈の長いスカート、手入れされた形跡のない眉。
こちらから話題を振らなければ口を開かず、これといった主張がなく、何が好きかすら掴めない。
ありがちな痛いオタ女とか腐女子ではなかったが、彼女の幼馴染がテンプレキモヲタ女だったことも私には決定的マイナスだった。
そんな「学校要員」の彼女とは、休日に遊ぶことも長電話も、悩み相談もしなかった。
そういう「らしい」ことは部活の友人とやっていたし、彼女からの誘いというのも皆無だったから。
「とにかく群れてキャイキャイ毎日楽しそうに笑っていなければ」という強迫観念があった。
そうでなければキモい最下層グループの一員認定を受けてしまう!と。
だから私は「こんな暗い子と一緒にされたくない」と「友達いないと思われたくない」に挟まれ、勝手に悩み苦しんでいた。
その彼女が現在明るく毎日楽しそうなのは、周りがきっといい人なんだろう。
彼女の良さを引き出しながら損得抜きで付き合えるのかも知れない。
ちょっと毒舌で、実は笑い上戸で酒呑みで、真面目なんだけど冗談が通じない訳でもなく、思いやりと度胸があるところを。
卒業間際まで気づけなかった私に彼女は勿体無い。気づけなかったのも無理はない。
私が2年もの間向き合っていたのはあなたじゃなく、周囲の視線だったんだ。
器もないのに必死にリア充を装うなんて愚行に巻き込まれた友人は被害者。私は彼女の良さを在学中に知ろうとしなかった。
けれどだからといって、彼女の高校生活を私がぶち壊したと考えるのは些か傲慢すぎるとも思う。
mixiで彼女のページを踏んで少しの間、「今のあなたと当時友達だったら」と考えてしまった。
いまだに私は、私の高校時代を彼女にモノクロにさせられたと感じているんだろうか? 本当は逆だろうに。
でもごめん、それでもやっぱり、もう一度高校やり直したいとは到底思えない。