あー、概念実証とでもいうか、B-TRONはどこまでも試作品だったんだよね
だから、試みはともかく、超漢字は普段道具として使うにはクソだったって言うユーザーはかなりいたように思う
どこに書いてあった話だったか忘れたし、うろ覚えなので間違っているかもしれないが、
TRONの提唱者でもある坂村氏、MSXを実現したアスキーの西氏、それから今はソフトバンクの孫氏がいて、
坂村氏や西氏はTRONを進めたがっていたけど、孫氏は国産OSに否定的で、
理由としては、どうせ日本で独自のOSを開発しても、米国なり海外の技術力に負けるのは目に見えている、
みたいな話だったと思う、で、その未来予想は当たっていたように思う
ただ、孫氏は昔からタイムマシン商法みたいに、左から右、右から左に流してお金を取る、
商社のような発想でしかものを考えられないタイプに思えるし、最近のWeWorkなんかはそれが裏目に出たわけだ
ペッパーくんもフランスのアルデバランを買収して、日本の経営者を旧アルデバランのトップに置き換える、
みたいに、つくづく孫氏はゼロから技術や知見を積み上げることを嫌うので、
これはこれで企業や日本に技術を定着させたり、もちろん独自技術を打ち出すチャレンジを潰してしまう
ただ、逆に考えるなら、孫氏はどうせ日本とか自分の会社よりスゴい奴らは世界にいっぱいいるはずだから、
買ってきてしまえばいい、教えを請うなり真似た方が早い、という発想なわけで、
これはこれで中国や韓国が日本を追い抜こうとしてきた方法とも似ている
こういった手法を侮蔑、揶揄する輩がいるが、私はこれはこれで正しい方法に思う
ボトムアップに積み上げる、トップダウンで知の高速道路から落下傘で飛び降りる、どちらも間違っていない、
寧ろ何もやらないで、美しい手段で解決することにこだわるとかの方が間違いに思う
逆に、日本は独自のガラパゴスな技術を持ってしまうと、他国に教えを請うような姿勢がなくなってしまい、
ウサギとカメのウサギというか、いつの間にか日本以外の世界に追い抜かれてしまっていることが多いように思う
個人的に思うのは、別に日本の教育が間違っているとか、技術者の水準が低いなんてことはまったくなくて、
そう思えるのは自分が大学や大学院にいたときに周囲に優れた天才的な人たちが見られたわけで、
何が問題なのかといえば、そういった優れた人材を使いこなせない、使う側、上の人間の問題に思う
だから、OECDの調査で順位が低いだのそんな御託をあまり真に受けるべきではないように思う
そういうものは、昨今のオリンピックの委員会と同じで、白人側の都合のいい調査しかしていないかもしれない
では、優れた人材、技術者を使う側の姿勢や意識が改革できるのか、というとこれも無理だと思う
となると絶望的にも思えるが、だったらもう下側に裁量を与えていくしかないように思う
もちろん、文民統制と似ていて、技術バカが暴走して、技術者にしかウケない製品を作ったりするのは阻止しなければならない
しかし、これも文民統制と同じで、戦争のプロが、こういう銃がないとこれから困る、とか、
他国はこういう優れた兵器があるので、国産で技術や金がなんとかならないか、とか、
現場のプロの意見、不満は吸い上げて、どんどん対応していかなければ、
社会や金という血流が悪くなって、国が動脈硬化を起こすのも当然だろう
だったらチェックだけはやって、現場に裁量を与えた方が早いようにも思う
話を戻すと、TRONはμTRONやT-Engineといった名称で組み込みの世界で生きることを坂村氏は選択した
これはかなり成功したはずである
国産の自動車などで、国産のリアルタイムOSの需要は今でも当然あるはずである
しかし、私は自動車産業の世界などはよく分からないが、普段だらだらGitHubを眺めていて思うのは、
最近は組み込みOSの世界にかなり活気があるように思っており、
例えばRustのような言語はCのようにOSレベルから書けて、メモリリークを防ぐという話である(ちゃんとRust書いてないので
こういった新しい言語、それからドローン、ラズパイやArduinoのようなマイコンなど新しい需要があったりして、
組み込みOSは注目されているように思う
また、組み込みTRONから組み込みLinuxへの移行のような案件もあったように思う
色々考えてみると、TRONという試み、規格、アーキテクトを打ち出したのは無駄ではなかったと思うが、
世の中で言われるように国策とか偉い人の失敗もあるが、それだけではなく、
どちらにせよ、かなり時代に翻弄されたであろうことは容易に想像できるわけであり、
坂村氏が大学を辞めて起業するのを断念したり、組み込みに活路を見出したのも正しかったように思う
なんというか、何事も思ったように進まないものである、難しい…
あと、MSXもそうだったけど、同じ規格のOS、パソコンを松下、日立、ソニー、東芝などが同じように販売するなら、
まったく儲からないじゃないか、という意見はTRONでもあったのではないかと思う
そう言われるとごもっともであり、MSXも各社各様、メーカーごとに独自の機能が追加されていたりもしたが、
そもそも、こういう日本の大企業同士が小競り合いをして足並みが揃わない、
しかしながら、時代背景からすれば当然、という状況もあったりしたと思う
今になってみれば、パナソニック、VAIO(旧ソニー)、東芝、どれも同じWindowsが動作するパソコンを販売しており、
差別化となるのは薄さとか軽量化とかそういった実装技術、
まあ、初心者や老人などのユーザーへの手厚いサポートみたいなのも含まれるかもしれないが、
結局は日本の大手企業それぞれが同じWindowsパソコンを製造しているのは皮肉のようにも思える