笠松のじいさんのセリフが思い出される...
「今朝早く業者がつれにくるってンで、ゆんべ御馳走食わしてやったンだ。そしたらあの野郎、察したらしい。今朝トラックが来て、馬小屋から引き出したら、入り口で急に動かなくなって、おれの肩に、首をこう、幾度も幾度もこすりつけやがった。見たらな。涙を流してやがんのよ。こんな大つぶの。こんな涙をな。十八年間オラといっしょに、それこそ苦労さして用がなくなって。オラにいわせりゃ女房みたいなあいつを。それからふいにあの野郎自分からポコポコ歩いてふみ板踏んで、トラックの荷台にあがってったもンだ。 あいつだけがオラと、苦労をともにした。あいつがオラに何いいたかったか。信じてたオラに。何いいたかったか。」
北の国から より