2020-08-24

犬が死んだ。

母の飼っていた犬が死んだ。

昨晩、母が泣きながら犬を入院させた旨電話をしてきた。パニックを起こして何もできなくなっていたのでしょうがなく翌朝母が病院に行くのに付き添うことにした。

最悪安楽死させなければならないな、と思った。どうせ判断をしない・できない母のせいで私が犬の命の終わりを決断させられるのかと思うとよく眠れなかった。

今朝起きてLINEを見たら犬が死んだと連絡がきた。母のパニックはより激しくなっていた。しょうがないので(2回目)火葬の手配・犬の遺体の引取の話を私が引き取った。母のゴミ屋敷には犬の遺体を安置する場所などあるわけもなく、混乱を増していた。しょうがないので(3回目)わたしのアパートに安置することにした。

母より早く動物病院につくと、犬は薄目を開けて死んでいた。たぶん獣医さんの家の庭の花がきれいにそえられていた。この犬らしくていいと思った。。母を心配させまいとして最後まで気丈に振る舞っていたらしいので、誰もいないところで死ぬのはむしろ本望だったんじゃないだろうか。私はぼろぼろ泣いた。母が来たら泣けなくなる。医師がこの犬が今死ぬのはしょうがない死であり、むしろ長生きしたほうだと言っていた。犬の昼寝しているみたいな寝顔に今までよく生きてくれてありがとうと思った。

母が来て、改めてキーキー騒ぐので私はさっぱり泣けなくなった。母の面倒な注文で別の火葬の手配をすることになった。正直帰りたかった。

動物病院がタクシーを呼んでくれて、私は自分の住所をタクシーの運転手さんに伝えながら火葬の手配をするはめになった。母は隣で私にギイギイ文句を言っていた。あんたのせいだぞ。

タクシーからおりると、母は私の家の立地をボロクソにいった。家に入ると、私の部屋がカビ臭いだの騒ぎだした。あんたの家は犬猫の糞尿の臭いにまみれたゴミ屋敷だけどな。ペットの爬虫類を見せるとまたそれもボロクソ言った。この人の語彙には「良い」「かわいい」「嬉しい」「楽しい」「感謝」がない。

少し落ち着くと母はのどが渇いた、お腹が空いたと家を出ていった。このすきに犬との別れを惜しもうと思った。すぐ母から電話がかかってきた。迷子になったという。子供か。母を迎えにいき、花屋が遠い、普通はこんなに歩かない、水が飲みたいと騒ぐ母を連れて花屋に行った。自分で花を選ぶのも難しいようだった。私が母から逃げている間に犬がこの狂気や愚劣さを受け止めていたのかと思うと罪悪感がわいた。母の家に行くたびに犬がすがりついてきていた。母の妄想のせいで犬は散歩すら満足に行けなかった。犬猫可のアパートに引っ越して犬を引き取ればよかった。

帰ると母が私の部屋でお店をひらきはじめた。一瞬で部屋の床が見えなくなった。正直何もたべたくなかったが、母が文句を言うので納豆海苔巻を食べた。母が色々のこしていたので、食べた。おいしかった。ご飯を片付けると母が新興宗教のお経をとなえはじめたのでAirPods Proで耳をふさいだ。何も聞こえなくなってとてもよかった。

葬儀社が犬の遺体をうちに迎えにくるまで母のあれやこれや言うのを聞いてるようで聞いてない感じですごした。葬儀社の人にも犬をモノ扱いするなとか、腐らせるなとか、骨を取り違えるなとかギイギイ言った。母が他人に迷惑をかけて警察のお世話になる前にどうにか治療したいと思った。それでも犬はきれいにダンボールの棺におさまって、花で飾って、とてもきれいだった。母が「これは抜け殻で生前のそれではない」と何度も言った。色々しつこく言うのに矛盾してるなと思った。

母がどうやって帰ろう〜とクドクド言うのでアプリでタクシーを呼んで追い払った。やっとゆっくり悲しめる。いい子だった。不調を隠してるのに愛想がとてもよくて救われた。私が家を出る前はよく散歩に行って一緒に走ったものだった。

母が別の犬の健康について取り越し苦労をはじめた。宗教がてんでやくにたっていない。もう少し犬たちのためにがんばろう。

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