母が鏡台をくれた。嬉しい。
祖母が嫁入り道具として母に与えたものらしいが、私が育った20数年間母がこれを使っているのを見たことは無く、ただのオブジェと化していた。母は明るくて水道もある洗面所で化粧する方が性に合っているらしかった。
私は鏡台で化粧する方が好きだ。誰にも邪魔されず自分だけの空間で化粧できるというのが落ちつけていい。誰が入ってくるか分からない洗面所で化粧は落ち着かない。つい早く終わらせて洗面所を空けなきゃと焦ってしまう。あと化粧している最中を人に見られるのがちょっと恥ずかしい。さらに座って化粧できるのも疲れなくていい。
確かに水道が無いのは少し面倒だが、ウェットティッシュでどうにかする。
母から鏡台を譲り受けてから、格段に化粧が楽しくなった。私に嫁入りの機会があるかは分からないが、私が実家を出るときはぜひ鏡台も持って行って楽しい化粧ライフを満喫したいと思っている。