たびしカワラん!!を読んだ。今度出る4巻で完結らしい。なんていうか独特の雰囲気を持った漫画だった。1巻の序盤から読者を置いてきぼりにする展開はすごいと思う。
濃密な書き込みが目を引く今作だけど、ぶっ飛んだ性格をしたキャラクターや何とも言えないシュールなギャグセンスも魅力だった。帯を読んでもっと暗くてシリアスな物語かと思ったのに、想像していたのと全然違ってびっくりした。
全体的に急発進と急ブレーキを交互に繰り返す暴走車に乗ってるかのような読書感が素敵なんだけど、偏執的な書き込みが随所に現れる見せ場で登場するもんだから、情報量が多すぎて一度じゃ全部読み取れなかった。
作品のコンセプトとして、一見意味がわからない言動や描写に全てちゃんとした意味を割り振って作っている物語らしい。実際二巻三巻と読み進めていく内に、ああなるほどと納得すること何度かあって、よく考えて作っているんだなあって感心した。
ただ一方で、個人的に1巻で感じた傍若無人な世界観や、暴力的な勢いみたいなのが少しずつ削がれていくかのような窮屈さを覚えずにはいられなかった。地国や呪術といったものを現実的な科学と繋ぎあわせた物語であるための息苦しさというか、読み進めていくに連れて様々な伏線が回収されて一個一個設定という名のロジックが積み上がっていく感覚は味わえるんだけど、世界があまりにも縁取られすぎてしまって魅力を失いかけているような気がしてならなかった。
たくさんのパーツが隙間なく接合されて出来上がった立方体に、余白がないのが惜しいと評するのはコンセプトに対する愚弄に他ならないのかもしれないけど、ちょっぴり残念だった。
とは言え4巻が楽しみです。あと瓦屋教授がかわいい。とてもとてもかわいくて、結構エロい。良いキャラしてます。