ファミコン世代でマリオブラザーズ3をやってた世代だがはじめて安くなったPS3を買いデモンズソウルをお迎えしたときの衝撃は
世界を3回くらいひっくり返すくらいのインパクトだった。
久しぶりにゲームに感情をぶちまけた。
冷えつつあった俺の心を座布団を叩かせたり、はじめてコントローラーをたたきつけさせるくらいには狂わせてくれた。
とにかく悪い体験も良い体験も楽しかった思い出にしかならない。
世界のどこかにいる理不尽な敵プレイヤーに怒るのも楽しかったし、
同じく世界のどこかにいる面白い味方プレイヤーといるのも楽しかった。
ソロプレイの孤独も面白かったし、とにかくデモンズソウルというゲームの中で俺は冒険しまくった。
永遠に続けばいいと願うくらいどっぷりとはまった。
時は流れ、デモンズソウルの後継となるダークソウルが発売されたり、亜流のブラッドボーンも発売されたが、
どうやってもあの時の感動に適わない。
もちろん作品は面白いし進化している部分もある。
だがなぜだか、のめり込めない。
ゲームの世界に入り込めない自分がいる。
現実に楔を打ち込まれたもう一人の俺がブツブツと呟いている!
経験を積み比較ができるようになったもう一人の俺がブツブツブツブツ言っている。
体験になれてしまった俺が恨めし気に見つめてくる。
あの時の新体験以上のものを求めるのは、酷だ。
不可能だ。
俺よ、俺はもう体験してしまったのだ。
体験という経験がこの先の衝撃を色あせてしまうだろうが、それは仕方のないことなのだ。
俺よ、お前はもう十分楽しんだではないか?
あのとき心行くまでデモンズソウルを楽しんだではないか?
それなのにまだ求めるというのか?
俺に欲求を与えて、まだ苦しませ続けるというのか?
現実を忘れさせてしまうくらい楽しいゲーム等、人生に1本か2本あれば十分ではないか?
ちゃんと新作もプレイしているだろう、俺よ。
出会う機会は与えてやっているだろう、俺よ。
だからもう俺をそんなに苦しめないでくれ。
どうか頼む。
楔を解いてくれ…