2011-01-02

オタクの生態を垣間見て呆れてしまった話(長くなっちゃった

オレにはオタクの友人(以下:オタ友)が1人いる。互いに30代男。去年からその友人とは、オレの行きつけの店で会うことが多くなっていた。ビールとウイスキーの種類が豊富なバーで、ちょっとした軽食も出す20席ほどの静かな店。

そのうち店主や他の常連客を交えて話すことも多くなった。店主もオレも他の客もオタクではないので、基本的にはオタ友もわきまえてはいたのだと思うが、たまにアニメについて熱弁し、周りは時には興味深く時には苦笑いしながら聞いていた。たまに悪気無く「ウザイ」なんて言ってみて、互いに笑うようなそんな雰囲気。誰だって、好きな事を話すときは、多少周りの空気が読めなくて独りよがりになるものだし、聞く側にとっても、全く興味のない話という訳でもない。そんな感じで場は成り立っていた。

ちょっとこの店の客層を確認しておくと、20代後半から30代を中心に、もっと上のお客さんもいて、身の回りのこととか、ジャズとか、ロックとか、テクノとか、映画とか、時事とか、食べ物とか、旅行とか、釣りとかについて語ってる。だいたい「初音ミク」くらいは知っていて「イカ娘」となると「名前だけ聞いたことがある(オレもその程度)」か「なにそれ?」という反応かと。みなオレと同じように、月に1〜2冊以下の漫画を読むくらいでアニメは見ない。それでも、釣りオタクは釣りの話でヒートアップするし、ジャズオタクもワインオタクもそれは一緒。だから、何となくオタ友は馴染めていた。

そして年末。毎年、この店で常連客を集めて忘年会を開いていた。いつも10人ちょっとが参加している。普段は一瞬すれ違うだけの他の常連さんとも、こういう場で仲良くなったり、そんなような場だ。オタ友も既に常連だったので、普通に誘った。するとオタ友は「他にも友達2人くらい連れてきてもいいですか?」とのこと。忘年会は常連客に向けた採算無視のサービスなので、他に誘えるのは常連客のパートナーくらいまでというのが暗黙のルールだったが、オタ友はそんなことも知らないし、何となく断りにくい流れだったので、店主は了承した。キャパ的には毎年余裕がある。

オレは、ちゃんとその辺の暗黙の了解も伝えておけば良かったかなとか、オタ友もオレが思っていたよりもアウェイ感を感じてたのかなとか反省しつつ、あまり気にしていなかった。一抹の不安はオタ友が連れて来る友人2人、この人たちとも面識くらいはあるがオタ友以上のオタクであり、いきなり初回で忘年会の場に来て馴染めるかな? ということ。

そして当日。オタ友は3人のオタクを引き連れて来た。1人はオレも初対面だったが、雰囲気でそっち系のお仲間だと分かった。オタク4人、一般10人。他の常連客は3人に対して「え?どなた?」という反応で、これはオレにも責任があるので、初対面の1人にも軽く話しかけたあとで、紹介めいたことをしたりとケアに勤めてみた。オタク3人は、狭い店には不釣り合いな大きな声で爽やかに挨拶してくれたので、何となく大丈夫じゃないかと思った。いきなりのアウェイで躊躇してしまいそうなところを、勢いで乗り切ろうとしているように感じ、まあ、それもアリだよねとか思った。しかし、本来オタ友が中心になって、3人が馴染むように計らって欲しいのに、本人は何やら知らないアニメの台詞のようなものを盛んに発しながら、他の3人のオタクとの内輪話を盛り上げて笑っているので、軽くイラっとした。オタク4人は、4人がけのボックス席に座る。まあいい。基本的にはその方がいいだろう。

店主による乾杯の音頭。今年は大皿4つにたっぷりのオードブル風の手作りオツマミがサービス。ワイン数本を無料提供。ビール2種類が2000円で飲み放題。タンクが空になったら下のコンビニで買って持ち込んでもOK。他だいたい何でも下のコンビニから持ち込みOK。ウイスキーは半端なボトルを何本か無料提供だけど、高いやつはいつも通り払え・・・という内容発表があり、軽くひと盛り上がり。

しかし、乾杯の音頭で元気に乾杯した以降は、オタクボックスは、オタクワールドとして鎖国してしまった。オレは、正直ちょっと疲れ、それでもオタ友がちょっとは空気読んでくれるだろうと思ったが、そこから聞こえて来る会話は、何か知らないけどアニメの話なんだろうな・・・という内容。オタ友がむしろ、そっちに引っ張って盛り上げてる。つーか、オタクボックス盛り上がり過ぎ。声でかい。何が楽しいかわからんが、オタクワールド。

オレは何だか呆れてしまって、他の常連客と盛り上がることにしたが、やっぱり皆大人なので、オタクボックスにもたまに声をかける。店主も、ビールの注文が入る度に、何かと会話しようとしてる。が、オタク4人は「あ、はい」とか「どうも」とかで苦笑いしながらかわす。かわすと言うか、すぐに身内に向き直りアニメの話に戻す。苦笑いしたいのはこっちだ。常連さんの中で一番年配の気のいいオジサンが、オタクボックスに挑む。きっと「ちょっとお前ら大人だろ、ちゃんとしろよ」と言いたいのは分かっているが、穏やかにワインを勧める。一応「じゃ、ちょっとだけ」とか言ってて安心するが、様子を見ると、ワインついでる最中のオッサンを無視して、またアニメの話してる。あーあ、他人事だったら、こいつらオモシレーのにな・・・とか思う。

誰もがオタクボックスに関わるのを止め、店内は二分されたまま互いに別々に盛り上がる。夜0時頃、店主が各常連客にひと言ずつ、何か声をかけている。オレの横を通るとき小声で「まだいてね」と言われたと思ったら「はい、いったん閉めまーす、まだ飲んで行く方はどうぞ、でも一旦区切って2000円回収しときまーす」と。なるほど。

例年はダラダラ3時過ぎまで飲んで、2000円回収もなんかうやむやに皆置いてって、翌朝見たら、何だかんだで1人頭3000円以上置いてってる計算(店主が泥酔しているので釣りはいいやと5000円置いてったり、気持ちで多く出す人がいる)って感じと聞いているので、何となく事態を把握。

長文化して疲れて面倒くさくなってきたので以下短く書く。さすがにオタク4人もこれで空気読むだろうと思ったら「えっ?どうする?一旦払ってもうちょっと飲んでく?」とか言う方向に話が進んでいるから信じられなかったが、常連客の1人が片付けを手伝うフリしてオタクボックスの食器を回収するナイスプレー。皆も適当にそこら辺を片付けるフリ。さすがにオタク4人は帰る。一応、帰りの挨拶はきちんとして行った。「楽しかったです」とか「美味しかったです」とか言ってる。

その後もちろんオタク4人以外の全員が残って、本当の忘年会が始まった。オレは一応謝っておいたけど、皆「子供じゃないんだからあいつらが悪い」と言ってくれて、オレも正直そう思った。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん