壊されるのはいやだから壊す側に回りたいと願う。
けれども、それを壊してしまうと結果的にわたしに纏わる物事の一部が壊れてしまう。
わたしはそれを壊すのを躊躇ってしまう。
それを壊すことによる波及的な損害が怖いというのもあるけれど、それ以上にわたしにはそれを壊すだけの度胸が足りない。
絶望的なくらいに圧倒的に足りない。
でも、わたしがそれを壊そうと動き出さない限り、それはわたしの周囲を損なおうと躍起になり続ける。
わたしから安定を奪い、平穏を損ない、緩やかな時間空間を揺るがそうとしてくる。
逃げてしまうのもいいのかもしれない。
絶え続けていつ起こるともわからない変化を待つのもいいだろう。
選択肢は案外たくさん用意されている。
いるけれど、わたしの中の残酷な苛立ちがそれを壊せと命令してくる。
壊して瓦礫を積み上げろと命令している。