■父が築いたような家庭は持てないんだろうなあ

今から20年くらい前の話だ。

私の父は社員数1000人ほどの中企業のサラリーマンだった。

早い時は8時、遅くても10時くらいには家に帰って自分や母と話したりして、いわゆる家族だんらんをしていた記憶がある。

「スポーツ選手になりたい！」とかそういった夢を持たなかった自分は、漠然と「自分も将来は父みたいなサラリーマンになって家族を築くんだろうなあ」と漠然と思っていた。

そして時は流れ、父は定年退職し、自分は働き始めた。

自分は多くの人が知っているであろうそこそこの企業に就職できた。

ところがこの会社はかなりの激務だった。

連日のように、遅くまで残業が続く。

今日、久しぶりに22:30に社員寮に着いた。普段はたいてい真夜中の12時前後に着くので、「ああ、早いなあ」と思った。

が、その感覚がおかしくなっていることに気付く。

22：30が早いって。。。

自分の父は片道1時間強の会社に勤めてたんだぞ？

片や今の自分は片道30分の社員寮だぞ？

それで、22：30に着くのが早いって。。。

「父が築いたような家庭は持てないんだろうなあ」

そう思うとなんとも虚しい気分になった。

この不況の中、正社員の職があるだけでもマシ、残業代が支払われるだけマシ、と思わなければいけないのだろうけれど、それでも、過去の父と今の自分を比べると、どうしてもやるせない気持ちになる。

Permalink | 記事への反応(4) | 22:58

ツイートシェア