2010-08-24

あるニート

一年ほど前、ニートの男と知り合った。

かれは当時26歳、高校中退だそうだ。

ふたつ趣味があるらしい。

ひとつラノベを読むこと。ただし神坂一に限る。

もうひとつは、ギターだそうだ。アコギ

暗い非モテかと思うかもしれないが、かなりのカワイイイケメンだった。

身長は180ぐらいあった。ファッションもおしゃれで、ブーツを履いていた。

背が低い男が、無理にブーツを履いているのとは違い、とても似合っていた。

だが声が小さかった。というか、全体的に控えめな印象だった。

体の大きさのわりに、存在感が薄かった。

今まで女性と付き合ったことはないらしい。

甘やかされて育ったのかと思っていたが、そうではない。

高校中退後はすぐに工場ピッキング)で働いたそうだ。

「作業は単純だったけど、仕事が終わると妙な疲れがあった」と言っていた。いまは無職

兄が一人いるらしいが、とび職だと言っていた。パチンコ狂いで、貯金はないらしい。

父親は寿司職人だったそうだが、もう亡くなったと言っていた。

そんなDQNな家庭の子なんて、どんなDQNかと思うかもしれない。

けれど彼はすごく礼儀正しく、言葉遣いも丁寧だった。

バイトで事務作業を手伝ってもらったが、エクセルなどの使い方もすぐに覚えていた。

家にパソコンはないらしい。しかし、速度は遅いながら、タッチタイピングもできたいた。

公共の施設などに通って、練習したそうだ。

今までやった仕事は、ほとんど工場の単純作業か清掃だったらしい。

年をとってきたので、事務の仕事をしたいと言っていた。

だが高校中退なので、なかなか厳しいのだそうだ。

「けど、しょうがないですね」と、彼は淡々と言った。

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