いつものようにトイレで用を足して流したところ、
便器の水が濁っている。
茶色っぽく白濁している。
ちょっと待て。
私が足したのは小さいほうだ。
この水は透明でなければならない。
「もしかして:トイレ詰まってる?」
さて、どうしたものか。
誰かに「トイレ詰まってます」と連絡すべきか。
しかし、私は新入社員だ。
今、私が連絡しに行ったとして、だ。
私が詰まらせたのではないと信じてくれる人はどれくらいいるだろう。
口では「大変だったねぇ」と言いながら、
心では「実際のところあの子が詰まらせたのかな・・・w」と
思われるのがオチだ。
じゃあ、このまま放置するか。
しかし、ここはちょっとおしゃれなオフィスだ。
管理がわりとちゃんとしているようだ。
という注意連絡があったらどうするんだ。
私、自分がいる部署にとっては
なんだぜ?
なんとしても入社早々
「うんこ詰まらせた女」
という異名を付けられるのは避けたい。
・・・・・じゃあ、どうする?
↓
「!」
↓
自分で直せばいいんじゃん!
(ここまで思考3分)
シュポシュポがあれば一発解決だもん掃除用具箱に・・・・あ。
こうなりゃ、人間、持ってる道具を使うしかないよね。
手を、シュポシュポの替わりに使えばいいよね。
ということで、手をお椀状に丸め、
水を流した勢いを使って、水を一気に奥へ流す・・・
手で、水流を強くして、奥に溜まっているこれを・・・・・
・・・・・・・・・・・・・ん?
私の手に触れている・・・・これ・・は・・・!
手で水の流れを作っているうちに、見える側に出てきてしまったね。
お願いだから、流れていってね。
何度か繰り返したら、あいつは無事に下水の彼方に流れてゆき、
便器の水も透明になり、
私の名が汚れることもなく、
その後も何食わぬ顔して午後のお仕事終えましたとさ。
ちょっとおしゃれなこのオフィスには、
インフルエンザ対策のアルコールと除菌石鹸があったのが唯一の救いか。
あれが噂のバリウムなのか。全く大人は大変そうだ。