2010-06-22

安楽死

飼ってる猫が不治の病になってしまって、延命は出来るけど元気になる確立はほぼ無いって言われた。

かろうじて水は飲むけどご飯は全然食べない。

医者に強制給餌ってのを教えて貰って無理やり食べさせる日が続いてた。

猫は当然ながらめちゃくちゃ嫌がって口の中に入れても力なく吐き出す。

体重もどんどん落ちる。

反比例して治療は増える、薬も増える。

あきらかにしんどそうで、医者に連れて行ってあれこれ治療をするんだけど、とにかくその間中ずっとずっとずっと苦しい悲しいって顔をしているように思った。

すぐ痩せぎすになって点滴もした。

針をいやがった。

病室でも連れ帰ってもその姿があんまりにも痛々しくて泣きそうになったけど、こいつのほうがぜったいしんどいんだって思って堪えた。

だって自分にはそんくらいしか出来ない。悔しい。

猫ってしんどいと口あいて呼吸するんだよね。知らなかった。でも口呼吸するときの辛さってかなりなもんなんだって。

頑張って欲しいとずっと思ってたけど、ある日ふっ真逆の考えが過ぎった。

それってエゴじゃね?こいつ24時間年中無休で地獄の苦しみ味わってんのに何が頑張れなんだって思った。

そん時はじめて泣いた。そしたら小説みたいな話なんだけど、猫が這いずってこっちまで寄って来たんだよ。また泣いた。

気づけば病気宣告されてからもう半年経ってた。

俺、6ヶ月もこの猫苦しめて無理やり餌やって病室で抑えつけて治療させてたのか。

医者が言った「安楽死」って言葉がどかーんと頭の中に現れて、一晩中猫撫でながら考えてた。

もういいんじゃないかって。

でもそれって殺すことじゃんって。

でもこれ以上苦しめて苦しめてガリガリになった猫の気持ちはどうなんだって。

悩んで悩んで悩んで、結局もう最後にしようって、楽になってほしいって思った。

決めたら急に吐き気が来て何度か吐いて、泣きながら便器にしがみついてた。多分傍から見たらおかしな人だったと思う。

猫の死に顔は半年ぶりに見る穏やかな顔だった。

自分が間違ってたのかどうか、ずっと考えてるけどわかんない。

楽にしてやりたいってのもエゴだと思う。あれ以上苦しめたく無いと思ったけど、それって自分が逃げただけなんじゃないかとも思うけど…。

もうしばらく動物は飼えない。

  • 飼うこと自体がある意味エゴだからなあ。 でも愛するものが苦しむのを見たくないのは当然だし。 ここまで考え抜いて苦しむほど増田は愛せたんだから、猫も幸せだったんじゃないか。...

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