2010-04-24

うんこ食べると身体に悪いというのは本当である

http://anond.hatelabo.jp/20100424183731

10年以上前、私がまだ小さかったころの話です。

その日は夕方から雨が降るかもしれないということで、私は母に頼まれて、駅前まで傘を持って父を迎えに行きました。しばらく待っていると、駅の中から父が姿を現しました。すぐに声をかけようとしたのだけれど、その日父はなぜかいつもと違う方向に歩いていったので声をかけそびれ、そのまま後ろをついていく格好になりました。父は私が今まで行ったことのない、ピンクや黄色の派手な看板がたくさんある一角に足を進めました。そしてちらりと見えた父の横顔は、なぜかとても嬉しそうで、なんだか私まで意味もなく嬉しくなってしまったことを今でも思い出します。そうこうしているうちに、父はある場所で足を止めました。私はやっと追いつけたという安心感と、見知らぬ街に一人で繰り出した興奮がない交ぜの状態で、「お父さん!」と大声で呼びながら父の背中体当たりしました。その瞬間、父は今まで見たことのないような顔をして30センチ以上飛び上がり、「ごめんなさいごめんなさいキャバクラ行くつもりなんて全然ありませんからごめんなさいごめんなさい」と早口でまくし立てて、まるで酔っ払いのような千鳥足でふらつきながら、なぜか見ていた店の隣の建物に入っていきました。私はわけもわからず父の後を追うと、建物の中から黒いベストをばっちり着こなしたおじさんが出てきて「ここは大人のお風呂屋さんだから、君みたいなちっちゃい女の子は来ちゃ駄目だよ」と優しく教えてくれました。そして帰り道がわからない私を駅前まで連れて歩いてくれました。

家に帰ると私は夕方あった出来事を事細かに母に説明しました。母は説明の途中から大根を切っていた包丁の手を止め、全く動かなくなったように見えました。そして「クソガ」「ブチコロス」などと断片的ではありますが、何かとても怖い独り言を言っていたようでした。私がすっかり話し終わると母は振り返って震える声でこう言いました。「うんこは食べちゃダメよ。身体に悪いからね」私はそのときなぜかとても怖くて泣きそうになりながら「わかりました食べません」と答えました。そしてそのことをつい昨日の出来事のように思い出すことが出来るのです。だから私は自信を持って言えます。うんこを食べると身体に悪いのです。

記事への反応 -

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん