2010-01-21

いやースッキリした……ら不安になってきた。

会社を辞めることになった。

毎日日付変わる位まで働いて、日曜祝日しか休みないような状況だったから、転職活動もしていない。次の仕事も決まってない。

でも今、凄いスッキリしてる。


別に、残業が嫌だったわけじゃない。いや、全く嫌じゃないと言えば嘘になるけど、始業が遅めの会社だったから、毎日家に帰ってから次の出勤まで、8時間は確保出来た。

風呂入って、ちょっとゆっくりしても、6時間は寝られる位。

肉体労働じゃなくてデスクワークだったから、過労で死ぬほどでもなかった。


別に、薄給が嫌だったわけじゃない。いや、これも全く嫌じゃないと言えば嘘になるけど、元々お金使うタイプの人間じゃないし、買い物とかあまりしないから、月3万は貯金できた。

ボーナスもないような会社だったけど、十分生活していける位。

たまに勢いで十万クラスの買い物をした時に、ちょっとお金に困る位で、別に飢えて死ぬほどでもなかった。


別に、休日が少ないのが嫌だったわけじゃない。いや、やっぱりこれも全く嫌じゃないと言えば嘘になるけど、日曜は彼女と家でのんびりして、たまに祝日があって連休になる時とかに出かける位で十分だった。

そんな付き合いで満足してたと思うし、今も上手く行ってると思う。

お互い結婚は考えてないけど、このまま一生付き合って行けそうな気がしてる。まぁ先のことはわからないけど。



じゃぁ、何が辞めるきっかけだったかというと、別に人間関係が悪かったわけでもない。少人数の会社だけど皆気を使えるいい人で、嫌な奴は全然いなかった。

仕事の内容自体も、自分の好きなことや興味ある分野に関係していた。


決定的に嫌だったのは、ああ、でも、これ、結局人間ってことになるのかな、社風というか、会社の経営理念。

社長も従業員も理想に燃えてて、拝金主義になりがちな世の中で、真剣に誇りを持って仕事しようとしてたと思うし、社員一同そうありたいと思っていたと思う。

でも、俺は入って一年経つ頃には、誇りを持った仕事なんて出来なくなってた。

具体的には書かないけど、綺麗事を、理想を、理念を掲げて声高に叫べば叫ぶほど、醜い現実が目についた。


漫画家で例えるなら、漫画家・アシスタント一同、「読者に良い漫画を届けたい」という理想は一致していたと思う。

でも、そこで使ってるペンが、インクが、紙が、誰の物かなんて、誰一人気にしていなかった。

店先に並んでるペンを拝借してきて、隣の家からインクをこっそりとってきて、それで漫画を描いて、「良い作品描けたな!」と満足してるような状態。

「ここの構図が決まればもっと面白くなるのに!」というシーンでは、躊躇なく他の漫画からトレースしたり、「ここ話の展開がもっとダイナミックなら!」というシーンでは他の小説から話をパクったり、そういうことを平気でやってた。

「面白い漫画になるならそれで良いじゃん」という感じで。


さっきも書いたように、一年が経つ頃、俺はそこでの仕事に何の誇りも持てなくなってた。

上司に訴えても、周囲に煙たがられない程度にさりげなく話をしても、まるで異星人でも相手にするかのような対応をされた。

俺の常識は、この会社では常識じゃなかった。

程なくして、その理由がわかった。

俺以外のメンバーは、皆同じ会社に勤めた経験があって、そこから独立する形で今の会社が出来たのが原因だった。

俺にとっては、今の会社ですら、俺の常識の範疇外の行動をしていたのだが、話に聞く前の会社は、最早論外だった。

そこで育った人間たちだから、「常識」や「ここまでは仕方ない」「ここまでやって良い」といったボーダーラインが、根本的に俺と違うのだ。


そのことに気づいてから数年、社内会議の度に訴えたり、周囲に根回しを試みたりもしたが、ついに周囲の、会社の意識を変えることは出来なかった。

いや、変えることを諦めた。

諦めて、辞めることを決意した。



今、とてもスッキリしている。

でも今、こうやって書いてる心のどこかに、再就職した先もこんな所だったらどうしようと思っている自分がいる。

他には何も文句はなかった。ただ一点、胸を張れる仕事をしたかった。それだけなのに。

もっとも、俺以外の連中は、これで「胸の張れる仕事だ」と感じていたのだから、いくら説得しても理解されることはなかったわけだけど。

  • 明日の自分を見るようで辛い・・・

  • 出た! オリジナル厨! 著作権が保護するのは表現であってアイデアではない。 構図や物語のプロットについて、世間に公開された著作物(市販品など)を参考にしてもなんら問題はないよ。 ...

    • その通り言ったらマズイから、漫画に例えてぼかして書いてるってことくらい気づいてよ…… オリジナルがどうこうなんて一言も言ってないし、そもそも漫画家が盗んだペンで描いてる...

      • 従業員数千人以上の会社に派遣で行ったことがあるが、そういう会社は比較的権利関係には厳しかった。 あらゆるライセンスは管理されていて、秀丸を使うのが面倒くさかった。 従業...

      • RMSって人は、「いいよ、コピーしても。ただし、コピーしたらコピーしたものにもコピーしていい権利つけなきゃだめだよ」って言ってて、それさえ守ってれば別に人のペンで書こうが...

      • その通り言ったらマズイから、漫画に例えてぼかして書いてるってことくらい気づいてよ…… そのぼかした話を読んでも全然話が通じないのは、ぼかし加減が悪いからってことくらい...

        • 少なくとも普通に読めば 漫画を描く為のツールをパクって来てる=漁師なら釣り竿や網を、猟師なら鉄砲や罠を、プログラマならパソコンや電気を盗む行為だってわかるだろ。 表現(作...

          • 少なくとも普通に読めば 漫画を描く為のツールをパクって来てる=漁師なら釣り竿や網を、猟師なら鉄砲や罠を、プログラマならパソコンや電気を盗む行為だってわかるだろ。 表現...

            • 一般的には公開された情報をどう参考にしようが自由なのだ。この点がわかっていない連中をオリジナル厨と呼ぶ。 元の情報だけを見れば、盗用しているツールで、何かを参考にした...

              • 海賊版のWindowsを使っている、Officeを使っている、Photoshopを使っているetc は盗用ではなく、もはや窃盗だね。 オープンソースのコードをコピペして、Copyrightだけを書き換えて販売するの...

                • 細かい話だが、海賊版の場合、窃盗ではないだろう。 ちなみに、有形物でも盗用で誤用ではない。盗んだ物を使用するという行為が盗用なわけだから。 どちらにせよ、通報出来ないのは...

                  • 盗用も窃盗もにたようなものだけど、 表現物の盗用が、引用なのか区別がつきにくいように、用いたことが問題という事もあり、盗用という言葉を用いるかもしれないけれど ソフトの場...

記事への反応(ブックマークコメント)

人気エントリ

注目エントリ

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん