車を止める場所自体はあまりなく、コンクリートで固められているところ以外はちょっとした林になっていた。
工業地帯の住宅地で大した公園が無かった為だだっ広いそこでよく同年代の子と遊んでいた。
ある日そこで誰かがスズメの死体を見つけた。しかも首が切断された姿で。
その時の私らは最初動物の死骸にビビるばかりで、その不自然すぎるスズメの死に方に何も違和感も持たなかった。
誰かがかわいそうだから埋めてやろうと言い出し、家からスコップを持ってきて無残な姿のスズメを土にかえしてやった。
(やっぱり怖かったからなるべく触らないようにした)
後日今度はネズミの死骸がまったく同じとこで見つかった。しかもまた頭と胴体が切断された姿で。
その時も私らは不憫に思い、スズメと同じように埋めてやった。
それ以来そこでは何も起こらず、私達も外遊びの機会が無くなったのでそこに行くこともなくなった。
その内私はそこから引っ越して今は別の場所で暮らしている。
でも今だから解るけど、あれは間違いなく人がやったものだと思う。何しろ見事に首だけが切断されてた。
猫や野鳥につっつき回されたり、車に引かれたのだとしたらもっとグチャグチャになっていたと思う。
その後にも車に潰されてしまった野良猫の死骸を見た事があるけど、あの時のスズメとネズミはそれと比べると大分綺麗だったと思う。
(首が切り離されている事以外は)
その時私や友人らは小学生低学年の集まりで、そんな恐ろしい事をするような人間が存在するなんて想像も出来なかったけど、今ならありうるなと思う。
マンション内の人間がやったのか、外部の人間が忍び込んできたのかは解らないけど、もし本当にそうだとしたらぞっとする。
でも、人間がやった事じゃないとしたら、それもそれでやだな……こえぇ……。
ふと思い出した、後味の悪い思い出。