f(x) = xという関数にx = 1を与えてもそれはx = 1 - δ, 1 + δ(δは無限小)に対してδの定義から当たり前ながら連続だと言える。
しかしf(x) = x^∞ならどうだろうか。x = 1の場合、1は乗法の単位元であり何乗しても1なのだからf(1) = 1。
x = 1 - δは1未満の値であるから、無限回その数を掛け合わせると0になる。よってf(1 - δ) = 0。
対してx = 1 + δの場合、これは1を超える値であるから無限回その数を掛け合わせると∞に発散する。よってf(1 + δ) = ∞。
有限のべき乗では引数の1近傍は関数の値も連続であったが、一度無限という超越性を許容すると引数が連続であっても関数の示す値は連続でなくなる。
今回の問題は無限の性質を少しでも知っていれば小学生でも分かる程度のものだったが、考える機会がなければ中々気付かないものだ。他にもこの様なシンプルで非直感的な例は幾らでもある。
他愛も無い、下らない事だと切り捨てないで、合理性に基づいて徹底的に追求してみるのも悪くない。こういう事を考える余裕は万人が享受されるべきものだと感じる。