~~観測された事実から有意義な結論が得られる可能性について~~
しばらくすると、仕事が「出来る人」と「出来ない人」がいる事に気づくようになった。
私の主な仕事はコンピュータプログラムを作成することであったから、
それはプログラムが作れる人と作れない人がいるということでもあった。
これは、私にとっては比較的重大な問題である。
なぜなら、プログラムが出来ない人の割合が多ければ多いほど、仕事が増えるからである。
プログラムを作れない人を作れる人へと変換することで、自分の仕事を減らそうと考えるようになったのは自然なことであった。
まず、頭の良し悪しはあまり関係ないように思えた。
もちろん世の中には、頭の良さが重要である仕事もあるが、彼らが日々格闘しているのはそのようなものでは決してない。
そして「出来る人」が頭のいい人でもなかった。
残念なのは、頭の良し悪しの判断は私の極めて主観的な判断であることである。
頭の良し悪しを客観的に測定する手段がないため、それも致し方ない。
従って、プログラマと学歴に関する何らかの関係についての知見は得られていない。
学歴と同様に女性プログラマとほとんど接点がないため、こちらも未知数である。
ほぼ20代後半~30代半ばであり、年齢とプログラミング能力との相関関係も未知数である。
半年~15年程度の経験年数の対象者を観測した。
残念なことに、経験年数と能力に関する関係については、いかなる関係も見出せなかった。
しばらく観測を続けたが、その違いが何から来るのか全く不明であった。
そこでそれぞれの人にインタビューを実行することにした。
「出来る人」に「あなたは何故、○○○○○が出来るのか」と質問してみよう。
大抵は、考え込んでしまう。
約80%の人は「判らない」と答える。
残りの20%弱の人は、長考した上で「たぶん○○○○○じゃないかな~」などと答える。
しかし、この回答には共通点を見出せなかった。その人が「出来る」という以外には・・・
極めて僅かな人が笑顔で、「昔宇宙人に誘拐されてチップを・・・」などと答える。
通常このパターンはそれ以上ツッコんでも何ら参考に値する知見は得られない。
「なぜ○○○○○が出来ないのか?」
「わかりません」という回答が約50%。(※1)
「○○○○○だからです」という回答が約50%。
これはありがたい!
その人に何らかの解を与えれば、「出来る」ようにになるわけだ!
では早速その原因を取り除いてみよう!
原因を取り除いた結果、その人ができるようになる確立は0%であった。
よーし、もう一度インタビューを結構だ!(ここで、※1へとジャンプする。)
100%の確立で、「わかりません」という回答にたどり着くか、インタビュアーが興味を失って実験が中止されるかのいずれかであった。
観測の結果、以下のように推論可能である。
・「出来る人」には「出来る」理由がないか、不必要である。
・「出来ない人」は、何故出来ないのか不明であるか、あるいは理由はいくらでもある。
・「出来ない人」の理由を解決しても新たな出来ない理由が発生するか、何故出来ないのか分からない状態になり安定する
※ただし、「出来ない」理由を解決する試行回数を無限にすれば、いつか「出来るようになる」可能性については、否定できない。
できない奴にはたいてい共通点がある。 1 とにかく楽しようとする。 2 難しいことはやらず評価をもらいやすことをやる。 3 その場を乗り切るだけの暫定対処をする。 できる...