2009-12-03

祖母が時代劇を見てた。

「えらく古臭いの見てるなぁ」と言ったら

最近時代劇やらないから珍しいのよね。」と嬉しそう。

見るともなく横にいて、

「これって、再放送撮り方とか古いよね」と聞くと

「ううん。特別編だって。この原作はこの人(主演)のお父さんのなのよ。

それを、息子が演じてるの。

まあ、お父さん向けの話だから、古いわよねぇ…」と、薀蓄を教えられた。

時代劇に出る役者なんて、知らないし、

へえ、と聞き流してなんとなく新聞をチェックした。

たしかに、再放送とは書いてない。

でも、なぜか違和感を感じる。

出演者を見て、余計に変な気がして、画面を見てた。

「なあ、やっぱり変だよ。」

祖母は「ん?」という顔をしてしばらく黙ったが、

「ああ、そうだわ。このXXさん、もう死んじゃったもん…」

とつぶやいた。

祖母は一瞬、ちょっとがっかり、ビックリした顔をしたけど、

その後は「若いわねー」「このXXさんは、ホラ、あのドラマの何々役の人よ」と解説を続けてくれた。

役者って、すごいよな。

自分自身は老いて、あるいは命をなくしても

見る人の記憶の中ではずっと若いままで、

しかも不自然さの欠片もなく存在していけるんだから。

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