シーン「電車の中」
A子、座席で眠っている。
ぐったりと顔を伏せ、熟睡しているように身動きしない
C子、D子、E子。A子と少し離れた座席で並んで座り、他愛ないお喋りをにぎやかにしている
電車の音がかすかに鳴り続く。
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車内放送「次は辰己東。辰己東。」
C子、A子の方を見る
C子 「ねえ、辰己東ってA子が降りる駅じゃない?」
D子、E子、おしゃべりをやめ、C子を見て、A子を見る。
D子 「そうだったっけ?」
E子 「(笑いながら)なんか死んでるみたいに眠ってるね」
C子、D子、E子、再びおしゃべりを始める。
電車の音。
車内放送「辰己東。辰己東。お忘れ物にご注意ください」
C子、D子、E子、A子を見て、顔を寄せて笑い合う
C子、D子、E子、の視線が反れた瞬間、A子わずかに動く
C子、A子に駆け寄り、肩を叩く。
C子 「A子、A子。おきなよ」
A子、体を起こす。一瞬そのままぼーっとしているが、
C子、D子、E子のいずれとも顔を合わさず、足早に電車を降りる。
電車を降りたA子、悲しそうな顔でうつむいて立ち止まる。
ゆっくり歩いて退場する
C子、D子、E子、A子を見送りながら再び顔を寄せて笑い合う
D子 「A子って、すぐ一人になるよね」
E子 「前のクラスでもそうだったんでしょ?」
C子 「そうそう。すぐに孤独になるんだよね」
D子 「A子って、前から性格悪いの?」
C子 「うん。悪いっていうか、ウザイ?」
E子 「ウザイよねー。だから一人になるんだよね。」
C子 「だからさ、私、ああやって声かけてあげるの。」
D子 「えらい!良い事だよね!」
C子 「でしょ?あんな子でもちゃんと声かける私えらいよねー」
E子 「うん。良い子だよー!えらいえらい!褒めちゃう!」
C子、D子、E子再びおしゃべりを始める。
暗転
元増田はB子?
元増田です。 B子の位置は、希望を込めて、あえて空けました。