中国が後ろ盾のベネズエラとアメリカが後ろ盾のコロンビアは、いずれ衝突すると見られていたが、ちょっとだけ、ペースが上がってきている。オバマ大統領の3年目あたりに派手にドンパチをやらかして、アメリカが火消しにはいり、その実績で二期目につなげるという目論見が崩れそうである。
というのも、コロンビアの大統領がかなりダメな人で、政権が崩壊寸前であるうえに、オバマ大統領の、外交を後回しにして内政に傾注するという方針で、コロンビアは現状維持か、それも出来なければ放置という状態なので、ベネズエラが断交してきても、コロンビア側は何も動けない。というのが表向きの情勢である。
政治的な空白は麻薬カルテルにとって望ましい事であり、どちらかというとこれで、メデリンやカリの麻薬カルテルが盛り返すという展開がありえる。コロンビアの麻薬は、これまではアメリカに流れていたが、国交断絶という建前を利用して、ベネズエラ経由で中国に流し込もうという動きもありえる。
ベネズエラにとっては、石油よりも利幅の大きいビジネスになるし、アメリカとしては、コカの木を消滅させても現地人の生活を良くしなければ何も変わらないというプラン・コロンビアの失敗から、現地人がコカを作る事を禁止する事は不可能であるが、コカインがアメリカに入ってこなければ良いわけで、新しい輸出先ができるのであれば、そして、その輸出先がアメリカの覇権にとってマイナスの存在であるのならば、むしろ都合が良い。
中国がコカインを買えるだけの米ドルをもっている限り、国交断絶状態は表向きの話で、地下経済についてはむしろ活発化するであろう。中国において、アヘン(ヘロイン)と覚醒剤は既に蔓延しているが、コカインはまだ広まっていない。匂いでバレやすいアヘンや、注射器が必要な覚醒剤に比べればコカインは手軽であり、広まる余地は十分にある。
清朝時代にイギリスが植民地会社を使ってやった事を、共産党時代にアメリカがベネズエラを使ってやるというのは、仕方の無いことなのかもしれないが、まるで進歩していないというのが、いささか残念でもある。
日本の民主党の党首が、東アジア共同体の創設といった寝言を言っているようだが、コカイン代金を回収する為のルートとして利用されるだけであろう。そもそも、日本には不法滞在中国人が中国に仕送りをする為の地下銀行が存在し、この資金ルートは、外貨の持ち出しが出来ない中国に進出してしまった日本企業が投資したお金を中国から抜き取るルートとして機能している。
社内失業者が発生するほど労働者が余っているのに経団連が移民を受け入れたがっているのは、このルートでの資金回収の効率を向上させる為にほかならない。ベネズエラルートのコカインは、米ドルでの代金回収の構造こそが重要で、その為に朝鮮半島を使うという話が出来ている。この状況で東アジア共同体や通貨統合といった事を言い出すほど間抜けだとは思わなかった。
お坊ちゃまで世間知らずな上に、永年の野党暮らしで頭の中がお花畑になっているという事である。アレが首相になったらとんでもない事になるだろう。