90代の祖父がいる。
ここ数年急に奇声を発する様になった。
なんかたまに「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」って変な音が聞こえてると思ったら発信源は祖父だった。
半年前には記憶障害が明確に現れた。
自分は勿論、今では息子である父のことも認識することが難しい。
「はじめまして」なんて挨拶された時はわかっていたけれど、びっくりした。
最近の口癖は「お袋に会いたい」である。
先日は内蔵疾患で入院。
親族一同てんてこ舞いで、世話をした。
それでも体は丈夫なようで無事退院している。
足腰も丈夫で、逆に危ない。
地位や名誉を振りかざした祖父はもういない。
私にとっての祖父はもう死んでしまったも同然なのだと思う。
それでも祖父という人間は今もゆっくりと死んでいく。