2009-08-03

ゆっくりと死んでいくこと

90代の祖父がいる。

ここ数年急に奇声を発する様になった。

なんかたまに「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」「ひぃぇっ!」って変な音が聞こえてると思ったら発信源は祖父だった。

半年前には記憶障害が明確に現れた。

自分は勿論、今では息子である父のことも認識することが難しい。

はじめまして」なんて挨拶された時はわかっていたけれど、びっくりした。

最近の口癖は「お袋に会いたい」である。

先日は内蔵疾患で入院

親族一同てんてこ舞いで、世話をした。

それでも体は丈夫なようで無事退院している。

足腰も丈夫で、逆に危ない。

地位や名誉を振りかざした祖父はもういない。

私にとっての祖父はもう死んでしまったも同然なのだと思う。

それでも祖父という人間は今もゆっくりと死んでいく。

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