友人が自己破産する前、どうにも金が回らないというので金を貸した。100万円弱。
唯一の親友だと思っているし、自分にとってその金を出すと生活がままならないというほどの負担が生じるわけでもなかったので、貸すのではなくあげるつもりで差し出した。
1年が経った。友人は実家に戻り老いた両親と同居している。金融機関への返済はなくなったが親から数百万借りたのでその返済をしているらしい。自分への返済はまだない。
自分は近々会社を辞め、転職先を探す。もしかしたら無職の期間が長くなるかもしれない。失業保険の申請はするが、長い間働かないでいられる貯蓄はないので、経済的に慎ましい生活になるのは避けられない。
今はまだ友人から金を返してもらおうとは思わないが、この先本当に金に困ったらやっぱり貸した金の返済をあてにしてしまうんじゃないかと考えたり、自分がが経済的に苦しいと泣きついたらあいつはどういう行動を取るんだろうと思ってみたり、金のことを考えるともやもやした気分になる自分がいる。
やっぱり金のことはそう簡単には割り切れない。