その氷の味に私は涙した。
昨日の虚空な出来事、生きる意味とはなんなのか。
今までの人生を送って得られた事とは何か、今まで他人の為に何か役に立った事はあるだろうか、幼少の頃の思い出でもいい、何か楽しかった事はあるか。
そしてこれからどう生きていくつもりなのか、目標は?生き甲斐は?原動力となる喜びは?
この氷を噛む度に不快な暑さと同時にストレスの許容量が消え失せてゆく。
そして最後に残った唾液と混ざり合わさった静かな冷気を一飲みするともうあの至福の余韻すら残っていなかった。
記憶とは何か。生きる事とは何か。私とは何か。
答えは見つからない。そもそも存在するのかどうかさえ分からない。
外から子供達が遊ぶ声が聞こえてくる。私には同等の経験がない。
自分自身に対し滑稽に思いながらも首を吊った。笑えばいい。どうせ私にはこれしか方法がなかったのだから。