中学のころ、学校をさぼって曾祖母の部屋に隠れて一緒にテレビを見ていた。
たしか95歳くらいになっていたばあちゃんは、だいぶ痴呆入っていたけれど、ひねたガキで周囲から浮きがちの僕をよくかわいがってくれた。
テレビでは60歳くらいのよく知らない文化人か何かが「人生とは~」と偉そうに語っていて、正直つまらなかった。
そのとき、「まだ若いのが、なんとねぇ。。」とひいばあちゃんはぼそりと言った。
ひいばあちゃんから見たら60は若い者なのだ、と思い可笑しいと共に、つまらん話だ、という意見が一致したようで僕はうれしかった。
同時に、では95のひいばあちゃんにとって人生ってなんだろうと興味がわき、僕は「じゃ、ひいばあちゃんにとって人生ってどんなものだったの?」と聞いた。
ひいばあちゃんは「何でもないのよ、人が生きれば人生なの。長くても短くてもね」と言った。
自分は稲妻に打たれたように感じ、そのあとどうしたのかよく覚えていない。が、それはいつしか私の座右の銘となった。
つまり美人最強ということか