と、いうわけで片鱗その1。弁当の見た目が毎日変わる。
月曜1段火曜2段水曜3段木曜4段金曜5段――――。
ああ、「週の初めの方、そんな少なくてあの図体が耐えられるのか?」とご心配のそこな諸兄、安心したまえ。
量はどの曜日も同じだ。つまり、百人一首を一面に並べるか、100枚重ねるかの違いだな。
いやあしかしその量を初めて目にしたときは、奴はピンク色の人外生物の化身じゃないかと思ったぞ俺は。
果たして、涼宮山家のエンゲル係数は如何ほどのものなのか……。調べてみたい気もするな。
片鱗その2。
体育の授業は男女別に行われる――のは先程の会話からわかるだろうが、着替えに関しても当然の如く別である。
女が奇数クラス、男が偶数クラスに移動してすることになっているのだが。
「――――」ぼるんっ。
「げ!?」
「きゃっ!?」
まだ男子が残っているにも関わらず、あんまり嬉しくない擬音を伴ってやおらセーラー服を脱ぎだしやがった!
即座に教室中に響き渡る他の女子の悲鳴悲鳴悲鳴、追い出される男達。まあ当然といえば当然だが何か釈然としない。
それはともかく……どうやら、ハルヒは男子生徒のことをジャガイモくらいにしか思ってないらしい。ういろうのくせに。
「これが、精神的ブラクラ……か……」
片鱗その3。……呆れることに、だ。
ハルヒは、この学校に存在するありとあらゆるクラブに、仮入部していたのだった。
運動部からは例外なく部員から熱心に入部を勧められ、しかしその全てを蹴って毎日参加する部活動を気まぐれに変えた挙げ句、
結局、どこにも入部することは無かった。
相撲部からは是非ウチにも仮入部に来てくれと熱心に勧められたらしいが、何故か翌日部はなくなっていた、とか。というか女子を呼ぶなよ。
何がしたいんだろうなあコイツはよお?