君の存在が僕の人生にどれだけの影響を与えていたのか、君を失ってからようやく分かったよ。
僕が東京の私立大学への入学を決めた日、君は言ってくれたよね。「おめでとう」って。でも何故かぶっきらぼうだったな。きっとそれが君からのサインだったんだろ?気付けなくてごめんな。
またいつでも会える、なんて考えていた俺がバカだったな。
『チャンスは一度きりしかない』この言葉をもっと早く知りたかった。
ひとりぼっちで上京したものの、俺は結果を出すことが出来なかった。自分で作った殻のなかにずっとこもっていた。地元の親との関係はぎくしゃくしてた。兄弟なんていない。人付き合いが下手な俺は孤立していた。
そんなときだったな。君が倒れたのは。
明るくて、活発で、誰よりもまぶしい君は突然逝ってしまったな。きっとたくさんの人が悲しんだのだろう。俺もそのうちの一人だ。だけど俺は君の葬式にすら行けなかった。
最後の最後まで、俺は何をしていたのだろうか。俺の歩んできた道は何だったのだろうか。俺はこれからどうすればいいのだろう。何のために生きていけばいいのだろう。
もう一度、あの頃に戻りたいよ。あの笑顔を見せてくれよ。