だから、そんなものは最初からなかったことにして、普通に生きようとした。
でもたまに、承認欲求がふとしたことで偶然満たされてしまう事がある。
そうすると、その味を思い出す。承認欲求が満たされた時の美味しい感じを思い出して、今までそれに必死に封をしてなかったことにして過ごしてきたのに再び封を剥がしたくなる。といってもはがしたからといって満たされるとは全く限らない。多分一度封をあけておおっぴらにその欲求を自分で開き直って認めたら、今度はそれを満たすために物凄く足掻いてしまうと思う。そしてそれは非常に気持ち悪く、多分滑稽だと思うしとても疲れると思う。
といって、必死に封をして普通に生きようとしていると、足掻くことさえしなくて本当に後悔しないのだろうかと思うこともある。そしてそれにすら最近は封をしている。
どうするべきだろう。
もう全て諦めたほうがいいのか。きっとその方が楽だし、案外承認欲求って無かったことにできるもんだということもわかった。多分それが普通になるということなんだろう、ってこの言い方がもうテンプレだな。誰もが通った道をきっちり通ってる。不思議とそんなにそれは嫌じゃないが……