2009-01-11

自己責任論者は優しくもないし思慮も浅はか

最近派遣切りが問題となってるがここぞとばかり自己責任論を持ち出して、職を失った人たちを救う必要がないという人は、何なのだろう。

自分がそういう状況に陥る事はないとでも言うのだろうか。

たまたま今、自分に職があったり財産があったりしているのを、全て自分才能か何かだと勘違いしているんではないだろうか。

弱者が出来てしまった際に、弱者を救うために国というものが存在している。自己責任論者も昔は乳幼児という弱者であったし、今後も老人という弱者になっていく。どういう人間も、赤ん坊の頃から一人で生きてきたわけではない。両親の庇護の下、国が作ったインフラなどを利用して糧を得て、教育されて今の自分が形成されているのだ。日本に生まれついたことが、たまたまラッキーだったというだけだ。

それをあたかも自分ひとりで今まで生きてきたかのように自己責任論をぶち上げるのは、優しくもなければ思慮もない。

大体、弱者を切り捨てるだけなら、国というものが成立しない。

弱肉強食を唱えるなら、国の庇護のないところで一人で生きて行けばいい。

弱者を全て救っていたら国が成立しないと極論に走る人もいるが、もちろん実際の救済策に関しては、運用が難しい事は当然だと言える。

救済を利用して、弱くもないのに働かないという人は弱者ではない。

その見極めは難しいが、それを理由に救う必要がないと言うのは暴論だ。

弱者の救済はあるべき、というところから議論を始めてはどうか。

自己責任論は、自分酷薄さと愚かさを吐露するだけのものだと言える。

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