最近良く見かける言説に「自民党も糞だけど民主党はもっと糞だから仕方なく自民」というものがある。
が、これはあまりよくない。自民最高うっひょーい!みたいな臭いがプンプンする。ゲロ以下。
自民党支持者に限った話ではないんだけども、印象操作はもうちょっとスマートにやるべきだ。
主張をする者の側で「AとBとではどちらかといえばAの方がよい」というのは、あまり説得的(というか操作的)ではない。
主張の受け手の方は、相手の主張に対してはそれなりに警戒する。
より良い印象操作は、受け手があたかも自分の能力によってその結論に至ったかのように錯覚される事だ。
他人には酔いにくいが自分には酔い易い。
具体的には、「Aはここがダメ、Bはここがダメ。結局全部ダメじゃんwww」と書いておく事。ただしこの時、大した知能が無くても合理的に「Aのダメさの方が大した事無い」と判断できるような要素を挙げる事。
読者は「こいつはどっちもダメと言ってるけど、ちょっと考えればAの方がマシなのは明らかじゃん。ばっかでー」と思ってくれる。
この点で感心するのは共産党シンパのやり方だ。いや、あるいは本気で頭が悪いアンチ共産党なのかもしれないけれど。
彼らは政党を批判するにあたり、共産党についての批判では「共産党は名前がダメ」「今どき共産主義とかってwww」というようなレッテル貼りをする。
ちょっとメディアリテラシー(笑)に自信のある人は、レッテル貼りだけで批判できたつもりになることが如何に下劣かつ非論理的な行為か知っている。
そういう人は、上のような言説を見た時に、「いや、この批判は違うだろ」と思う。
もちろんレッテルも正当な根拠に基づいていればそれなりの意味はある。そこで彼らはちょっと調べるわけだ。「このレッテルは正当か?」
ちょっと調べればすぐに明らかになる事だけど、上のレッテルは日本共産党において否定されている。
そこで、ちょっと調べた人は、上のようなレッテルがたんなるレッドパージ教に基づく宗教的な異端認定に過ぎないと、「自分で」気付く。
そして彼らは、共産党アレルギーに対してアレルギーを持つようになる。もっとも彼らの多くはそれをあからさまに言うのは品がないと考えるので、例えば「今日の共産党は単なる社会民主主義政党に過ぎない」とか、そういう婉曲的だが印象操作と呼ぶにはあからさま過ぎる方法で、共産党への同情を表明したりする。
読者自身に疑問を抱かせ、読者自身に調べさせ、読者自身に気付かせる。自説をレッテル貼りによって批判するというのはなかなか良くできている。
というわけで、俺もさっそく実践してみるぜ。