「ギリギリまで予定が立たないから」と言って、デートの約束を前日か、当日朝にしかしてくれない人と付き合っている。
その人のいう「予定」は「当人が気が向くかどうか」まで含まれた予定であり、前日約束してくれても当日起きれなかったからとかいって平気でドタキャンされたり予定変更されることもしばしばある。
相手は気が向いて都合がよい時に動けばいいだけでも、こちらはその相手の都合に対応するために常に準備をしておかなければならないので結構負荷がかかっていた。
どうも相手はそのことに無頓着なようだったので先日そういう事情を話して協力を求めてみたところ「それならそちらも特に準備なんかしないで気が向いて都合がよい時にだけ応じてくれればいい。それならフェアだろう」と言われた。
というわけで私もそれに倣ってここ3回ほど相手からのお誘いを断ってみたところ、相手は「これじゃあ恋人の意味がないじゃあないか」と不機嫌になり始めた。
今さらそんなことに気づいたのか、と思う。
片方が自分の好きなときだけ相手を呼び出して気が向かないときはおもちゃ箱にしまっておくかのごとく接触を拒むような関係というのは恋人関係じゃない。
ただのサービスの受給と提供だ。
そして困ったことに、相手に予定を合わせることをしなくなってから、私はあまり相手のことを好きではないということに気づいてしまった。
むしろ、予定を合わせるというコストをかけていたから、それだけできるほど自分は相手のことを好きに違いない、と錯覚していたように思う。
このままフェードアウトしようと思う。
既に別れ話のコストをかけることすら面倒になってしまった。
「お互いが会いたい時だけ会えばいい。無理せずに付き合える空気のような関係が理想」と公言する相手には今後気をつけようと思う。
結局それは「(相手が自分に合わせてくれて)自分が会いたい時だけ会えればいい。(相手が自分に合わせてくれて自分は)無理せずに付き合える(自分が望まない時は)空気(のごとく存在感を消していてくれるオンデマンド)のような関係が理想」という意図が隠れていることがあるから。