自分の頭で考えろ、とはよく言われる言葉だ。
自分の頭こそ資産、思考がその人自身を表す、…とても大事なことだ。
最近よく思う、自分は自分の頭で考える事が苦手だ。
というより恐れているとさえ言えるかもしれない。
他人に自分の意見を聞かれるのがとても苦手だ。
好き放題に喋ることはできるけれど、誰かに面と向かって、何でもいい、「○○についてどう思う?」みたいに訊かれたら、一瞬表情が固まるのが自分でも分かる。心に冷や汗をかいてるのが自分で分かる。
そんな時ぼくは、茶化すか、耳障りの良い事を適当に喋るか、誰かの借り物の言葉でやりすごしている。
議論はできないと思った。大学で自分がしているのは議論じゃなくて相手の言葉に反応してるだけだ。僕にできたのは「指摘」くらいのものだった。
幸い天は自分に 適当に話を合わせる技術やよく覚えている事柄をきれいに再生する脳、滑らかに動く口は与えてくれた。
おかげで面白いと言われることもある、喋り上手だと言われることもある。
でもそれは場に合わせて適当に喋ってるからだ、もしくは誰かの思考をなぞってるだけなんだ。
そこに自分の腹からの気持ちは存在しないんだ。だから上っ面なんだ。薄っぺらいんだ。
でも人は言う、「最初はみんな他人の真似事から始まるんだ、そのうちに自分自身の思考を作り上げていくんだよ」みたいな事。
誰もが通ってきたその道、自分はそのプロセスをそっくり飛ばして生きてきてしまったんじゃないかと思っている。
自分の言葉で語れない事はこんなにも苦しい。言うべき自分の意見が無いのはこんなにも悲しい。
だから誰か教えて欲しい、自分の頭で考える方法。
「それを自分で考えろ」というのは僕には難しすぎる。