2008-05-24

白い指輪をくれた人

4年も前の話。

相手は社会人だった。アルバイト先で知り合った。

私の大学卒業と同時に、遠距離恋愛に。

私が楽観的すぎたのだ。遠くても、大丈夫だと思ってしまっていた。

一ヵ月後、別れを切り出された。

それでも年に一度はメールで連絡を取り合っていた。

私はその連絡だけを頼りに、いつか地元に帰ろうとずっと思い続けていた。

いつかあの人に会いたいと思っていた。嫌いで別れたのではないのだから。

もらった指輪休日はいつも着けていた。

デザインも気に入っていたから。

他の人と付き合っていたときも、その指輪だけは捨てられなかった。

最近いろいろな事情が重なり、地元に帰ってきた。

嬉しかった。

すぐにでも会いたい気持ちを抑え、新しい仕事にまずは慣れることを優先させた。

先日、会って食事がしたいというメールをした。

食事は、以前にも話しをしていたから当然OKだと思っていた。

返事は一週間後だった。

仕事が忙しく、会えないとのこと。

私はただ単に、よりを戻したいという気持ちだけでは無かった。

あの人に会って、成長した自分を見て欲しかった。

もし、それでまた気が向いてくれたら・・・・それだけだった。

ダメでも会ったらきっと気が済んで、忘れられると思った。

私にとって、あの人といっしょにいた月日は何物にも変えがたいけど

あの人にとってはそうではなかったんだと思うと

すごく自分が惨めな気分だ。

でもはやく、忘れないといけない。

もらった指輪が「ただのお気に入りの指輪」になる日は、近いのだろうか。

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