2008-04-17

ハムスターホイール

 ハムスターホイールががらがらと回っている。

 今夜も部長は元気に走っている。部長とはぼくの飼っているハムスターの名前だ。敬愛するエロゲーメーカーマスコットキャラクターあやかって部長と名付けた。もちろん犬を飼うとしたらイギーと名付けたい。ぼくはそういうわかりやすい趣味の持ち主なのだ。

 部長はなにを考えて走っているのだろう、とたまに考える。動物にだって論理的思考力はなくても感情はある。論理的思考力は欠片もないけど。ものすげえアホいけど。

 こいつはどこかへいきたいのだろうか。

 ここではない、どこか遠く。

 それは違う気がする。

 部長は縄張り意識が強い。いわば人間ならひきこもり気質だ。

 走ることに意味があるのだろうか。

 走ることが楽しいとか。それは充分ありえる。けれども、その可能性を考えるたびに、ぼくが思うのは、それで部長は満足なのか、ということだ。もちろん、その部長を檻に閉じ込めているのは、ほかでもないぼく自身なのだけど。

 部長に自分自身を重ねているのかもしれない。ままならない人生。先の見えない未来ハムスターホイールをがらがらと走り回っているような感覚

 どうしたらぼくは満足するのだろうか。

 どうしてそれで不満なんだ、と言われたことがある。そりゃあ確かにそれなりに好き勝手生きている。悩んだり悔やんだりすることは多いし、いわゆるワーキングプアだし、いつだってぐだぐだとつまらなねえこと考えているけど、悪くはない生活だ。

 だけど、ぼくは。もっと。もっと。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん